「今までありがとう」/来間中学校
最後の卒業式で涙と笑顔/砂川君500人目の巣立ち
「今までありがとう」-。来間小中学校(知念安則校長)の卒業式が日、同校体育館で行われ小学校、中学校それぞれ1人が通い慣れた学びやを後にした。中学校は下地中との統廃合に伴い今回が最後の卒業式。最後の卒業生となった砂川進一君が卒業証書を受け取り、思い出が詰まった学びやに感謝の言葉を述べた。小学校を卒業した伊禮二千花さんは4月から下地中に進学する。式の間は学校と共に生活し、同じ歴史を歩んできた島民たちの涙が流れたが、明るい未来を描く子供たちの決意に触れ、最後は笑顔あふれる卒業式となった。
市教育委員会が進める学校規模適正化の取り組みの中で初めての事例として統廃合となった同中学校。存続を求める地元の強い反発もあり、ここ数年は子供たちも巻き込んで島は揺れた。
存続を求め続けた島民の声は届かず、下地中学校との統廃合が昨年決定。それでも小さな学校で学ぶことの魅力を地域全体でアピールし続けてきた。
卒業式では、地域や保護者の代表があいさつを行い、学校が無くなることへの寂しさはありながらも、卒業生に対して来間中学校での思い出を大切にし島の人間としての誇りを持って新しい世界で飛躍すること呼び掛けた。
卒業式後、砂川君は「うれしい気持ちもあるがやはり寂しい気持ちもある。でも島のみんなが支えてくれているのでこれからもどんどん成長していきたい」と意欲を示した。
来間中学校に対しては「どこにもこんな素晴らしい学校はないと思う。思い出深い9年間だった。地域の人たちともいろいろなことを一緒にやってきたのでどこよりも絆の深い学校だと思う。今まで本当にありがとうと言いたい」と話した。
自らも同校を最後に定年退職となる知念校長は「たまたま来間中の閉校と自分の退職が重なって感傷的な部分もあるが、無事に閉校させたいとの思いの方が強かった。砂川君はちょうど節目の500人目の卒業生。新しい門出としてはいい数字。閉校は寂しいが次へのステップとしてとらえて、みんながこれから頑張ることを期待している」と述べた。
卒業式後は、保護者や地域の人たちが盛大な紙吹雪で新たな歴史を刻む学校と卒業生たちの新たな門出を祝った。
4月の新学期からの来間小学校の在校生は12日現在で1年生2人、3年生1人と計3人になる見込み。