宮古方言を歌で継承/ミャークフツカラオケ大会
石垣の新里さんが最高賞
「みんなで守ろうミャークフツ」-。第3回ミャークフツカラオケ大会が15日午後、マティダ市民劇場で開かれた。15組が出演して宮古方言で自慢ののどを披露。ユーモアたっぷりのパフォーマンスで会場の聴衆を魅了した。最高賞の「カギアーグ賞」に輝いたのは石垣市から参加した新里和子さん。「優勝は信じられないけどうれしい。とても良い記念になった」と驚きと喜びを語った。
この大会はミャーク思いの会が主催。ユネスコが2009年、「宮古語」を世界絶滅危惧言語として公式に発表したことをきっかけに企画、スタートさせた。
開会式で同会の竹井太会長は「宮古方言は宮古に残さないといけない言葉。世界に残さないといけない言葉なんです。みんなの力を合わせて次の世代につなげていこう」と話し継承への強い思いをにじませた。
この後、発表がスタートした。4歳の園児から96歳のお年寄りまで幅広い年齢層の出演者が流ちょうな方言で歌い上げた。
本土出身者の中には、おぼつかない方言で歌って会場の爆笑を誘う人も。それでも言葉の一つ一つに宮古方言への思いを込めて熱唱し、拍手を誘った。
花園幼稚園の園児は「幸せなら手をたたこう」を方言で歌った。その愛らしい発表に聴衆は拍手喝采。次代を担う子供たちの姿にくぎ付けだった。
審査の結果、新里さんが最高賞を受賞。優秀の「アーグ賞」には宮古島市の下地盛長さんが輝き、特別賞の「ザームツ賞」は同市の平良敏夫さんが受賞した。花園幼稚園には特別に「オゴエ賞」が贈られた。
最高賞の新里さんは両親が宮古島市の出身。今大会に出場するために、宮古方言を吹き込んだ音源を1日100回も聞くなどして独特のイントネーションを身に付けた。ステージでは山本リンダさんの「どうにもとまらない」を披露。圧巻のパフォーマンスで聴衆を魅了し、方言、歌声、ダンスのすべてで審査員から高い評価を得た。
新里さんは「とにかく方言を間違わないように気を付けて歌った。まさかの優勝だけど記念になるのでうれしい」と話し、両親の出身地での最高賞を喜んだ。