新城海岸の施設撤去
游泳客ら不満の声/「観光振興に逆行する」
市は14日までに城辺新城海岸そばにあったトイレ・シャワー施設、駐車場のすべての撤去作業を完了した。同施設は海岸保安林内に県の許可なく建設されていたとして、昨年12月2日に森林法違反行為にあたると県が指摘。市に対し厳重注意文書を送付していた。市は同保安林の原状回復のため、施設撤去後に植林作業を行うが、同海岸を利用する観光客や市民からは施設の撤去について、「観光振興に逆行する行為」「公益性が軽視されている」「作っては壊すなどの行為は許されない」などの不満の声が噴出している。
市によれば、同保安林内にあった施設は旧城辺町時代の1994年に建設されたもの。市は県からの注意文書を受けるまで、同施設が森林法に抵触していることを把握していなかった。
市は今年1月6日付で県に対し「復旧計画書」を提出し同計画の承認書を2月6日に受け取った。同復旧計画書に基づき先週いっぱいで同施設及び駐車場の撤去作業を完了した。
游泳シーズンに向け同海岸の清掃作業が行われた15日、同ビーチには観光客や市民がシュノーケリングなどを楽しむために訪れていた。これまであった施設がなくなったことに戸惑うリピーターや、観光案内パンフレットの中身と違うことに対し不満を漏らす観光客がほとんどだった。
宮古の海に惹かれ本土から移住したという男性(35)は「市は観光客数50万人以上を目指していたはずだ。この海岸には宮古を訪れる4分の1の人がやって来る。宮古の観光振興に逆行する行為だ」と厳しく批判した。
埼玉県から年に5回、宮古島を訪れるという女性(39)は「保安林解除申請という手続きも取れたはず。障害者も利用できる海岸の公益性が損なわれる行為を平気で行うのは恥ずべきことだ」と指摘した。
初めて宮古島を訪れた男性(48)は「知り合いに場所を教わって来たが、トイレ施設がなくて困っている。観光パンフレットには載っていた。作っては壊すなどの行為は許されるものではない。とても不便に感じる」と不満を漏らした。
市は簡易トイレを設置するなどし対応策を検討しているが、設置方法や時期などは未定のままだ。