市商業地下落率 6年連続県内ワースト
1平方㍍当たり4万9700円
宮古14年地価公示 前年比1.6%の下落
【那覇支社】国土交通省が全国地価公示価格を発表したのに伴い内閣府沖縄総合事務局は18日、2014年沖縄県分地価公示結果(1月1日現在)を公表した。宮古島市の商業地(標準2地点の平均)は県内商業地の中で最も下落率が大きく、前年を1・6%(800円)下回り1平方㍍当たり4万9700円だった。市内商業地の最高価格地は平良字西里羽立391番外の「ジブラルタ生命」だが、前年を1・7%(1000円)下回り、1平方㍍当たり5万8900円となった。市内商業地の下落率は6年連続で県内最大。ただ、下落幅そのものは縮小している。
住宅地でも宮古島市は下落傾向が続いており、標準6地点の平均で前年を0・6%(200円)下回り1平方㍍当たり1万9100円だった。下落率は南城市、本部町に次いで3番目に高い値だった。
全用途平均で宮古島市は前年を0・8%(300円)下落し2万6800円だった。前年の下落幅が1・7%であったのに対し、下落幅は縮小傾向にある。
市内住宅地の最高値地価は平良字西里前比屋273番が1平方㍍当たり3万6000円だったが、前年から0・8%(300円)下落した。
不動産鑑定士の宇久信正県代表幹事は、宮古島市の地価下落について、地価公示標準地の旧市街地区での土地取引が、ほとんど行われていない現状を指摘した上で「宮古島市の場合は久松地区などの郊外地区で、不動産取引が活発に行われる傾向にある。土地価格は安定推移しているが、旧市街地は需要薄からその落ち込み方が厳しい状態だ」と説明した。
また、地価下落のマイナス幅は縮小傾向にあり、観光客増により景気も回復基調にあるが、宮古島市の場合、人口の伸びがないため、不動産取引に反映されていないことを説明。その上で、「観光を中心とした関連産業の掘り起こしと、若年層の人口増に取り組むことが不動産取引を活発にする要素となるだろう」と話した。
一方、県全体の地価は1991年をピークに昨年まで商業地で22年、住宅地で18年、両用途の平均で21年連続して下落していたものの、今年になってようやく歯止めが掛かり、住宅地で0・1%、商業地で0・5%、工業地で1・9%、全用途の平均で前年より0・3%とわずかに上昇した。
宇久県代表幹事によれば北谷町、宜野湾市より南の市町村での地価上昇地点が多く見られ、県全体の平均を押し上げた。ただ、バブル期にあったような投資型物件の売買ではなく、「実需型不動産購入」が増加していることから、「2~3年前から不動産取引が次第に歓迎ムードになってきたことがうかがえる」と分析した。
県内地価の最高価格地は那覇市久茂地3丁目1番1の日本生命那覇ビルで1平方㍍当たり79万6000円。前年より5・4%上昇した。