抗アレルギー効果を確認/宮古産マンゴー
菅原教授(愛媛大)学会発表へ
宮古島産マンゴーにアレルギー症状を緩和する効果があることが愛媛大学農学部の菅原卓也教授の研究で明らかになった。果肉に比べ皮に強い効果が含まれている可能性があり、不要で廃棄の対象となっていた皮や規格外品の有効利用が期待されている。研究成果は明治大学生田キャンパス(神奈川県)で28日から開催される日本農芸化学会で発表される。
菅原教授は20日、学会発表を前に平良庁舎に下地敏彦市長を訪ね、これまで進めてきた研究の成果を報告した。
菅原教授によると、宮古島産マンゴーは体の中でアレルギー反応を起こす「IgE抗体」を緩和する効果があることを確認。摂取すれば花粉症や食物アレルギー、アトピー、皮膚炎、ぜんそくなど、同じ仕組みで起こるアレルギー症状の抑制効果の可能性があるという。
菅原教授は「マンゴージュースを飲むことによって、アレルギー症状を緩和することができるのではないか」と話した。
また、ジュースを搾った後の残渣や皮にも抑制効果が含まれていると言い「廃棄物の中に良い効果を持っている成分があり、廃棄物の有効利用が考えられる」と述べた。
乾燥させた皮を粉末状にしてサプリメントにしたり、別の果実と組み合わせて相乗効果を高めたり、さまざまな研究を進める方針だ。
菅原教授はまた「花粉症を引き起こした実験動物にマンゴージュースを飲ませると症状が緩和するかどうか、今後1年間かけて実験していきたい」と話した。
動物実験を試みた後、実際に人にも効果があるのかを研究するなど、成果を積み上げてマンゴーの機能性をアピールしていく考え。
他の産地より一歩進んだ取り組みが宮古島産マンゴー全体のイメージアップに繋がる可能性を秘めていることから、報告を受けた下地市長は「ぜひこの研究を進めてもらい、効果がはっきり分かればありがたい。期待している」と述べた。