戦略的産業の確立目指す/キビ戦略会議最終会合
第2期実証事業を確認/残渣液肥の商品開発など
宮古島サトウキビ利活用戦略会議(委員長・長濱政治副市長)の最終会合が24日、市平良庁舎会議室で開かれ、第2回会議までに出された案を基に、同事業の最終方針を決定した。第2期実証事業では宮古島の基幹作物であるサトウキビから製造されるバイオエタノール製造副産物を積極的に活用するため、蒸留残渣液を使った液肥の商品開発などを行い、E3製造と併せて普及に取り組んでいくことなどを確認し、戦略的エタノール産業の確立に向けて取り組むことを決めた。
同会議は市、りゅうせき、商工会議所、JAおきなわ宮古地区本部、製糖工場、日本アルコール産業、観光協会、青年会議所の代表らで構成。E3で使用するバイオエタノール製造のほか、市のエコアイランド事業とサトウキビ利活用をリンクさせながら、同製造工程で副産物として製造が可能な残渣利用の液肥を開発普及することで、「循環型農業」をアピールするなどを戦略的産業として位置付けた。
前回の会議までにバイオエタノール事業が環境モデル都市においては代表的な施策であり、その製造に係るコストに課題があることを確認し、コスト低減化のために副産物収入利益を捻出して1㍑単価を引き下げるという案が出された。
第2期実証事業ではE3からバイオエタノール事業全般に視野を拡大し、残渣利用の産業化を核として▽肥料市場における商品化▽宮古島を代表する高付加価値商品の企画および開発-を行っていく。
戦略的エタノール産業の確立に向けて①バイオエタノールの量的拡大と製造段階でのコスト低減化②流通コストの見直しによる低コスト化③液体肥料などの早期の商品化④蒸留残渣液の有価物を宮古島を代表する高付加価値化商品として開発する-ことを確認した。
これらの取り組みからサトウキビの生産・残渣活用を通じた「宮古島ブランド」の創出を図ることを最終方針として据えた。
同事務局の大金修一エコアイランド推進課長は「いかにサトウキビに付加価値を付け、地域資源として活用した地域づくり、社会システムづくりを行うかが今後の方向性だと考える」と述べ、今後、市民周知を含めて島内外にアピールすることなどを話した。