村番所の建物跡確認/与那覇遺跡
市教委が調査成果報告
旧与那覇公民館跡地で発掘調査が行われてきた与那覇遺跡について、市教育委員会生涯学習振興課文化財係は24日、発掘現場で調査成果報告会を開催。3基の建物跡が確認されていて、建物は17~18世紀の村番所の施設だったことが分かっていることを示し、「近世時の村番所跡の構造を知る上で非常に重要な成果が得られた」との考えを示した。
文化財係では、同所に与那覇遺跡があることは以前から把握していて、公民館を取り壊し跡地に防災センターを建設する事業の決定を受け、今年2月28日から発掘調査が実施されてきた。
発掘調査が行われた面積は約400平方㍍で、200平方㍍ずつに分けて調べた結果、後から調べた東よりの区域で建物跡3基が確認されたほか、土器や貝殻、勾玉などが出土した。
同係の担当職員は、近世の村番所があることが知られていたことを紹介するとともに、同所には番所の建物のほか、宮古上布の機織り場や租税を一時的に納める倉庫などがあったとの考えを説明。三つの跡のうち二つは、調査地域外にまで及ぶ広さの可能性があることを示唆したほか、「記録としては遺跡があるとされていたが、掘ってみて実際に建物跡が出てきたことが今回の成果。村番所の遺構が確認されたのは今回が初めて。貴重な資料となる」との考えを示した。