一斉防除の回数増へ/市農水部
池間島の野ネズミ対策
宮古島市農林水産部農政課は、サトウキビを食い荒らす野ネズミ被害が深刻化している池間島での新年度の一斉防除を13年度より2回多く5回行うことを、26日の宮古地区さとうきび技術員会(平良正彦会長)で報告した。池間島の5回は宮古島の年1回より4回多い。2~3カ月に1回程度定期的に行うことで、生息密度の大幅低減を目指す。
同会では、地区内4製糖工場管内の現在のサトウキビ生産見込み量が31万9000㌧と昨年11月時点より3000㌧上方修正される見通しになったことも報告された。平均糖度は4工場とも順調に伸びている。
池間島での野ネズミ防除は12年度までは1年に1回行政の職員らが行っていた。13年度は8月の人海戦術に加え、10月に航空防除を初めて実施した。
被害率はいったん低下したが、その後の被害拡大を受け3回目の防除を3月に実施。2月の調査では、被害がひどく収穫を放棄した畑も確認したという。
新年度の防除は6、8、10、12、3月の計5回行う。農政課は定期的な防除の効果も調査し、今後に役立てる。
池間島で野ネズミの被害が多い理由について県病害虫防除防除技術センターの清水優子さんは「島の中央の大きな湿原を囲んで繁殖に適する雑木林が分布する環境が影響している可能性が高い」と見方を示した。
4製糖工場のサトウキビの生産は沖糖が13万3000㌧、宮糖城辺10万6000㌧強、同伊良部5万9000㌧、同多良間が2万1100㌧の計31万9000㌧を見込む。糖度は沖糖が14・2度(操業開始時点13・2度)、宮糖城辺13・45度(同12・7度)、伊良部14・2度(同13・4度)、多良間13・6度(同12・9度)と当初と比べ大幅に伸びた。工場の職員らは糖度上昇の理由に、糖度の高い株出と春植の構成比が大きいことなどを挙げた。