「訓練の存続困難」/下地島空港
利活用案、公募で選定へ/県検討会議
【那覇支社】下地島・宮古両空港の今後の利活用を協議する、県の「検討会議」(座長・末吉幸満土木建築部土木整備統括監)は27日、県庁で最終会合を開き、下地島空港を訓練飛行場とする単独使用の存続は困難と判断した。4月中にも県内外のコンサルタント会社やシンクタンクなどに公募で同空港の利活用を提案してもらい、その中から選定する。5月に組織再編した新しい協議機関を設ける予定だ。
県は利活用案のうち、宮古島市の総合防災訓練施設構想やMRO(航空機受託整備産業)誘致も選択肢の一つと認識している。
会議の後、末吉座長は厳しい誘致結果を指摘した上で、11年度の日本航空(JAL)に次いで全日本空輸(ANA)も15年以降に撤退する意向を説明した。県と全日空は28日に14年度の下地島空港の維持管理費3億5700万円のうち、全日空が1年間限り約半額の1億7000万円余りを負担する新たな覚書を締結する。残りの半額は県の一般財源から繰り入れて補てんする。
末吉座長は「県はこれまで一般会計からの繰り入れはやらない前提できていた」とし、「日本トランスオーシャン(JTA)や琉球エアーコミューター(RAC)の訓練存続と地元の雇用問題を勘案し、県費導入もやむなしとして14年度予算に計上した」と話した。
さらに、「15年度も財源から出すとなった場合は大きな議論になると思う」との考えを示した。
県は航空会社の撤退や訓練激減により維持管理費が逼迫した下地島空港の存続に向け、1年間の猶予期間を通して実現可能な利活用案を引き続き求める方針だ。