沖電、新規20件を保留/太陽光発電
接続限界量超え
市が継続導入を要請/全国では初の事例
沖縄電力(大嶺滿社長)が宮古島市での太陽光発電の新規接続を保留していることが27日明らかとなった。下地敏彦市長は同日同社に対し、同発電設備の継続的な導入を求める要請書を提出した。同社取締役離島事業部の島袋清人部長が要請書を受け取った。同社は既に買電を開始している1万㌔㍗分と買い取り接続を許可した7700㌔㍗分については買い取りを継続するが、今月10日現在、新規申し込みのあった20件については接続を保留にしている。再生可能エネルギー固定買い取り制度施行後、接続保留になったケースは全国でも初の事例だという。
要請書を受け取った島袋部長は「真摯に受け止め持ち帰り対応したい」と述べるにとどめた。島袋部長の説明によれば、同社が保有するメガソーラーの太陽光発電を除いて、宮古島市では計1万7700㌔㍗分の接続契約がある。同電力量の買電を超えた場合、通常電力の送電に支障を来す可能性があるという。
現在、宮古系統電力(海底ケーブル送電の離島分を含む)は、宮古発電所(最大出力1万9000㌔㍗)、同第2発電所(同4万㌔㍗)、ガスタービン発電所(同1万5000㌔㍗)で供給しているが、太陽光発電の設置増加に伴い、買電が増加。通常電力の供給を維持するための発電所稼働限界量「下げ代(さげしろ)」の値が未知数であり、接続契約が現在の値を超えた場合、突発的な停電などが起こる危険性もあるという。
同社では国や関係機関と調整し、接続限界量を調査分析しているが、分析結果が出るまでは新規の接続契約を保留したい考えだ。
これに対し下地市長は「市ではエコアイランド宮古島宣言のもと、全国に先駆けて再生可能エネルギーの普及拡大や効率的な利用を進めてきた。今後も引き続き継続導入を検討してもらいたい」と要請し、市民に対しても十分な説明を行うよう求めた。