13%増の11億6000万円/平良港湾事務所14年度予算
耐震岸壁に10億5000万円/17年春の供用目指す
沖縄総合事務局平良港湾事務所(知花包信所長)の2014年度当初予算は前年度当初と比べ13%増の11億6000万円が計上された。平良港の第2埠頭と第3埠頭の間を埋め立ててその西側に造る耐震岸壁整備に10億5200万円を投じる。耐震岸壁は17年春ごろの供用開始を目指す。
第2、第3埠頭間の水面には、きょう1日から工事関係の船以外は入れない。第1埠頭でケーソン(岸壁本体)を造っていた大型フローティングドッグは31日、同水域に移動した。
耐震岸壁は大規模地震時の緊急物資搬入対応などを目的に整備する。延長は220㍍。同岸壁は冬場の強い季節風の時でも、大型船が安全に接岸できるよう北東向きに設計した。現在、北風の強い日は危険を避けるため同港に入港せず、次の目的地の石垣に向かうなど物流の安定に支障を来しているという。
耐震岸壁整備は順調に進み、昨年12月にはケーソン6基(106㍍)を据え付けた。ケーソンの1個の重さは約1000㌧。長さが17・6㍍、幅10・8㍍、高さが11・6㍍。新年度もケーソンの製作を引き続き実施する。ケーソンの取り付けは年度の終了を予定している。
耐震岸壁整備や海面の埋め立てなどを行う同事業は、「平良港漲水地区複合一貫輸送ターミナル改良事業」の名称で実施している。
埋め立て面積は、市が行う第2、第3埠頭間(3・7㌶)と、国がその西側部分で実施する2・7㌶と合わせ6・4㌶。埋め立ては16年度に終える。
漲水地区ターミナル改良事業は、埠頭用地が狭く非効率な荷役作業を強いられている状況の埋め立てによる解消も目的とする。国と市分を合わせた総事業費は47億円を見込む。
知花所長は「工事は本格化した。安全を第一に、計画通りの進ちょくに努めたい。一般船舶の航行に支障がないようその管理にも万全を期したい」と話した。
予算のうち約1億円は、防波堤整備に充てる。 ケーソン 鉄筋コンクリート製の箱で岸壁の本体