子牛肺炎予防ワクチン接種 前年比34%増/農業共済組合13年度まとめ
費用補助が追い風/血便予防薬投与も大幅増
子牛の肺炎予防ワクチンと、血便の原因虫(コクシジウム)を駆除する薬の13年度利用件数が、行政や農業共済組合の費用補助を追い風に大幅に増えたことが県農業共済組合宮古支所のまとめで分かった。13年度の肺炎ワクチン接種が4318本(前年度比1093本、34%増)、駆除薬の経口投与が433件(同比8・3倍)。13年度の子牛死亡頭数は同補助事業の農家への浸透に伴い、前年度の188頭より16頭(8・5%)少ない172頭に減った。
同補助事業は、年間に300頭以上の子牛が肺炎や血便などで死んでいる問題に対処し、農家経営の安定と共済加入促進につなぐ狙いで設けた。
肺炎予防ワクチンは3888円(2回分)のうち宮古島市が3分の2の2400円を負担、農家負担は1488円に軽減された。血便駆虫薬投与は1080円(県補助333円、農業共済組合補助333円、農家負担414円)。
肺炎は死のリスクだけでなく、治癒しても発育が遅れるなどの損失が発生するケースが多い。血便は死ぬ確率が高く、その場合は経営に大きく響くという。
補助対象牛は、農業共済に加入している牛。農業共済組合は「全農家が加入して病気を未然に防ぎ経営をより安定させてほしい」と呼び掛けている。
補助事業の一層の浸透は、子牛の死亡を減らし飼養頭数(競り上場頭数)を増やすことに結び付く。
肺炎や血便の予防補助は、上場頭数の減少が心配される中で、「現在の400頭規模の維持」を後押しする狙いも込めている。