偽フェロモンで防除実証実験/農業研究セ支所
キビ害虫のメイチュウ類
農業研究センター宮古島支所(新垣則雄支所長)は22日、城辺砂川地区と下地川満地区でサトウキビの害虫・イネヨトウなどメイチュウ類を交信かく乱法で防除する実証試験を始めた。今後誘因阻害率や被害茎率を調査し、キビ生産農家に情報を提供する方針。交信かく乱法の効果で芯枯れ茎が減少し、品質の安定につながるとして、さらなるキビ生産振興に期待を寄せている。
交信かく乱法とは、害虫の雌が放出する性フェロモンと同じものを大量に空気中に放出し、フェロモンを頼りに雌を探す雄の行動を邪魔し、交尾を不可能にさせる。合成の性フェロモンはチューブに染みこませた。
両地区にそれぞれ25㌶の「防除区」を設定し、性フェロモンチューブを設置した。被害調査は春植え・株出しを中心に実施する。
メイチュウ類は、キビの地下部を食い荒らし、植え付けた苗や株出しの芽生えを妨げる原因になるなど、甚大な被害を及ぼす害虫。
砂川公民館前の出発式では、キビ生産農家や関係団体・機関の関係者ら約50人が参加した。
新垣支所長は「今、沖縄や鹿児島でメイチュウが多発傾向にある。中でもイネヨトウがあちこちで大発生して問題になっている。性フェロモンチューブを畑に張ると、畑中に怪しげな匂いが満ち満ちて、雄が雌を見つけられなくなり、交尾ができなくなる。次世代がつくれない」と述べ、実証試験の成果に期待を寄せた。