仮設トイレ、シャワー設置/新城海岸
市、大型連休に対応
市は2日までに、城辺新城海岸に仮設トイレ4基とシャワー施設を設置した。同海岸は年間約10万人の観光客が訪れ、リピーターを中心に来訪者がシュノーケリングなどを楽しむ場所であることから、利便性を考慮し、大型連休で訪れる観光客に対応するために急きょ設置作業を行った。
同施設の設置費用は1日に開かれた市議会臨時会で約464万円の予算が可決。これを受け市当局は同施設の設置作業に着手した。
これまで同海岸にあったトイレ・シャワー施設は保安林内に県の許可なく建設されていたとして、森林法違反行為にあたると県が指摘。市は同保安林の原状回復のため、県に提出した「復旧計画書」に基づき今年3月に撤去作業を行った。
同海岸を訪れる来訪者からは「不便で使いづらい海岸になった」「行政の都合だけで撤去することは許されない」「観光振興に逆行する行為」などの厳しい批判の声が上がっていた。また、同海岸は宮古島でも唯一、バリアフリーでシュノーケリングを楽しめる場所として毎年、多くの障害を持つ人が訪れている。
海岸でパーラーを営む二つの事業者からは「トイレがないことで、引き返す観光客が多くなった。特に女性客が困っている。トイレがないことを知り、問い合わせをしてくる客もいる」「取り壊す時には呆気なく壊し、その後の対応が遅すぎる。せっかくの連休なのに客にいやな思いをさせている」と不満を漏らした。
市観光商工局の下地信男局長は「環境保全は当然大事だが、これまであった利便性を損なってしまったことを大変申し訳なく思っている。宮古を代表する海岸なので、皆さんには気持ち良く使ってもらえるよう今後も工夫していきたい」と述べ、同様の問題に対しては慎重に対応していく考えであることを示した。