船舶輸送、今年も併用/14年産マンゴー
積み残し回避へ対策/生産量は600㌧見込む
宮古地区青果物流通対策推進協議会(前田幹男会長)は9日、2014年度の第1回会議を県宮古合同庁舎で開き、来月にも始まる14年産マンゴーの滞貨回避に向け輸送体制を確認した。生産量は前年並みの600㌧前後を見込み、収穫ピーク期の7月上、中旬には、今年も船舶・航空複合輸送が避けられない見通しとなった。
船舶・航空複合輸送は、運送会社が集荷状況に合わせて航空貨物と船便に分けて輸送する仕組み。会議で大手輸送会社の沖縄ヤマト運輸は、宮古から石垣まで船で運び、石垣空港から全国に配送する新ルートを検討していると明らかにした。「宮古から石垣経由で那覇まで船で運び、那覇空港からの全国配送だと到着までに過熟のリスクがある」と理由を述べた。
従来、宮古のマンゴーは航空輸送に頼ってきたが、生産量の増加に伴い昨年から複合輸送が本格化した。
宮古島市は品質保持のため、消費者に短時間で届く直接取り引きの場合は船便、市場出荷は航空便を利用する住み分けに理解を求めていることを報告した。
参加者の一人は昨年の出荷ピーク時に台風が接近し滞貨による品質劣化が懸念された状況が再発した場合の対応策を質問。福里匡市農政課長は、マンゴー園の作業棟に設置されているクーラーの活用や停電に備えて、発電機を準備して置く必要があると対応策を示した。昨年はJTAが急きょ臨時便を就航させて運んだ。
県農林水産振興センターは完熟の2日前に収穫したマンゴーは、収穫から6日目ごろが食べごろになるという試験結果から、宮古-石垣港-那覇安謝港-那覇空港-全国配送の輸送ルートでも鮮度や糖度、食感に問題がないことを示し理解を求めた。
今年のマンゴーは6月から収穫が始まり7月上、中旬にピークを迎え8月下旬にはほぼ終了すると予測している。