ギトリス氏と子供たち共演
美しいハーモニー響く/会場一体、初の青少年国際音楽祭
「みやこじま青少年国際音楽祭」(主催・同実行委員会、宮古島市、市教育委員会)が10日、マティダ市民劇場で開かれた。“20世紀最後の巨匠”といわれる世界的バイオリニストのイヴリー・ギトリス氏と宮古島の子供たちからなる宮古島市ジュニアオーケストラらが共演し、美しいハーモニーを響かせた。
同音楽祭にはギトリス氏、市ジュニアオーケストラのほか、日本フィルハーモニー交響楽団ソロコンサートマスターで音楽監督の木野雅之氏、同音楽祭の趣旨に賛同した国内の一流演奏家音楽大学の学生らで編成された特別オーケストラ・みやこじま青少年国際音楽祭オーケストラが出演。同音楽祭実行委員会副会長で市内でバイオリン教室を主宰する天野誠氏は指揮で参加した。
音楽祭はバイオリンと三線による「伊良部とうがに」で幕開け。ジュニアオーケストラは島外からの演奏家らとともにギトリス氏と、バッハの「二つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調」やビバルディの「協奏曲集『四季』から『冬』第2楽章」などで共演した。
ギトリス氏はアンコールを含め9曲で演奏を披露。美しく澄んだ音色で客席を埋めた観客を魅了した。演奏終了後は長く盛大な拍手が鳴り響き、ギトリス氏は何度もステージに登場し笑顔で応えた。
ギトリス氏は子供たちとの共演について「自分たちが子供から教えてもらうことが多かった。子供たちにはいろいろな可能性があると感じた」と感想を述べた。音楽を志す子供へのメッセージとして「プロフェッショナルになりすぎないで、音楽を愛することが大切。愛していれば正しい道が開ける」と語った。
ギトリス氏と共演した嵩原春樹君(北中1年)は「やはり、世界の演奏家はすごかった。弾いている音がいつも聞いているものよりきれいだった。一緒に演奏できてうれしかった」と話した。
ギトリス氏は1922年イスラエル生まれ。現在はパリを拠点に世界各国で活動を行っている。2013年6月に熊本で開催された演奏会に参加したギトリス氏に、天野氏が出演を要請し、宮古島での演奏が実現した。