シミュレーション施設の誘致を
市長が副知事に要請/下地島空港利活用促進で
【那覇支社】下地敏彦市長は13日、県庁に川上好久副知事を訪ね、下地島空港利活用促進に向けたフライトシミュレーション施設の誘致を要請した。これに対し、川上副知事は「利活用方針については県も早急に方策を探さなければならない同じ立場。この案も含めて検討したい」と答えた。
下地市長は要請の中で、国内のフライトシミュレーション訓練施設は、国内航空の拠点である羽田空港周辺の首都圏に集中している現状を説明。続けて、首都圏直下や南海トラフの巨大地震が想定される中、訓練の一極集中のリスク回避のため同施設の地方への分散が必要と指摘した。
その上で「下地島空港は3000㍍の滑走路を有し地理的優位性にも恵まれ、国内外の航空会社の同訓練に最も適した空港だ」と強調。空港利活用の促進や地域の雇用、消費拡大による活性化を図るためにも同施設の誘致を要望した。
川上副知事は「宮古島の皆さんの気持ちは十分理解している。利活用は地元の利益につながるよう検討する。市と相談しながら進めたい」とし、「今年1年をかけて滑走路や周辺残地も含めた総合的な利活用を調査研究をしたい。国内外からも提案を募っている」と話した。
下地市長が「1年間の期間で利活用の方向性を見つけなければならない」と強い期待感を示したのに対し、川上副知事は「県は沖縄全体の振興の観点からも重要だと認識している。しっかりやっていく」と答えた。
宮古島市は新たな利活用策として空港と周辺残地を一体的に有効活用する「総合防災訓練施設整備」を提案している。災害時支援を想定した大規模訓練施設や救援物資備蓄・輸送施設を整備し、国内外の防災訓練を誘致する構想になっている。