8品目追加し内容充実/農林水産物流通不利性解消事業
新年度予算28億円計上
県農林水産部流通加工・推進課は20日、県産農林水産物の本土への輸送費を補助する流通条件不利性解消事業の2014年度説明会を県宮古合同庁舎で開催した。12年度から始まった同事業は3年目。今年度は対象品目に観葉鉢物やドラゴンフルーツ、キノコ、肉用牛(成牛)など8品目を追加し、事業内容の充実を図った。事業予算は一括交付金を活用し、28億円を組んだ。
県流通・加工推進課の宜野座葵課長はあいさつで、2年を経過した同事業には、生産拡大や県外出荷増に結び付いたなどの成果が求められるとし、農業の盛んな宮古地域の奮起を促した。
宜野座課長は出荷実績が見込み(申請)出荷量に比べて少なく、予算を消化し切れていない状況が課題に浮上したことを指摘。予算過剰は次年度予算に影響することもあるため、適正な計画作りを求めた。
事業説明では同課題の解決策として「今年度の交付申請は前年度実績の2割を超える増加は原則認めない」とする事業運営の改正内容を示した。
同事業は沖縄と県外大都市の市場が遠く離れ、輸送費が多額に上る不利性解消を目的とする。具体的には鹿児島までの輸送費相当額を補助し、本土各地への流通コストを同県並みに軽減した。
宮古の補助単価は飛行機の場合、野菜・果実が1㌔115円以内、花き・水産物が同140円。船舶は全品目で1㌔35円以内に設定した。
期待される事業効果には①価格競争力の向上②県外出荷時期や出荷量の拡大-を挙げている。
昨年度の県全体の交付実績は23億3000万円(交付団体110)に上った。
補助対象は市場競争力の強化で生産拡大や付加価値向上が期待できる「県農林水産戦略品目」を中心にした。野菜はトウガンやゴーヤー、カボチャなど15品目、果樹がマンゴーやパインアップルなど12品目、水産物ではクルマエビやモズクなど9品目を設定した。
不利性解消事業の補助対象者は①農業協同組合、農事組合法人②漁業協同組合、同連合会、漁業生産組合③森林組合、同連合会④農林漁業者等の組織する団体-など。
事業実施期間は14年4月1日~15年3月31日(予定)。補助金交付申請受付期間は14年5月23日~6月20日午後5時。交付申請は宮古農林水産振興センター(電話72・2552)でも対応する。