「人を生かす経営」訴え/中小企業家同友会ブロック研修
加藤さん(エイベックス会長)が基調講演/行動ベクトルの共有促す
中小企業家同友会全国協議会九州・沖縄ブロックの第8回支部長・支部活動研修交流会と第19回さきしま経営フォーラムが23日、2日間の日程で始まった。初日は、愛知中小企業家同友会代表理事でエイベックス社会長の加藤明彦さんが基調講演を行い、人づくりに重点を置く「人を生かす経営」を訴え。「経営者と社員が行動のベクトルを合わせ、仕事の必要性について認識を共有することが非常に重要だ」と語った。
この研修交流会とさきしまフォーラムは会員相互の資質向上が狙い。市内のホテルで2日間開く。九州と沖縄から参加した約100人の会員が、基調講演、特別報告、グループ討論・発表を通して経営者としての資質を磨く。
講師を務めた加藤さんは同友会で学んだ成果を自社で実践。自動車の駆動系部品を中心に精密部品を製造するエイベックス社のプロフェッショナル集団を率いて業績を上げてきた。
この日は「人を生かす経営で激変の時代を克ち進む企業づくり」~企業経営と同友会運動は不離一体~と題して話を進めた。
「克ち進む経営」について加藤さんは、自社の強みと弱みを徹底的に分析することの重要性を強調。自社の強みを追求し、時代の変化に応じて戦略と方向性を見いだすよう促した。
その上で社員と行動する目的のベクトルを合わせるよう助言した。「社員のやらされ感をなくす。仕事の必要性について認識を共有することが非常に重要なことだ」と力説した。
「社員一人一人の成長が会社発展の原動力」とも主張し、人づくりの大切さを訴えた。また、仕事の学びを後輩、次の世代に引き継いでいく社内風土の確立を重要事項の一つに挙げた。
参加した会員は、加藤さんの経営理念を吸収し、その後のグループ討論でも活発な意見を交わすなどして資質の向上に努めた。
研修交流会はきょう24日まで。特別報告やグループ討論が予定されている。
初日の会議の冒頭、同友会宮古支部の砂川淳一支部長は「この宮古島の研修会で学んだことは、各地域に戻られたときに必ず生かされる」と述べ、実のある研修に期待を込めた。
同友会全国協議会の中村高明副会長は「急激な人口の減少に対応するためには市町村に若い人が住み着かなければならない。そのためには働く場所、企業が必要になる。若い人が安心して働ける地域づくりをしていかなければならない」と話し、同友会活動の一層の充実を呼び掛けた。