口蹄疫の宮古侵入防止へ/家畜保健衛生所 畜産農家に消石灰配布
宮崎県で拡大している口蹄(こうてい)疫の防疫対策で、宮古家畜保健衛生所(慶留間智厚所長)は18日、平良地区の牛飼育農家に消石灰(消毒薬)を無償配布した。数量は一農家1袋(20㌔)。配布はJAおきなわ宮古家畜市場で行われ、207人が受け取った。農家らは「口蹄疫が宮古に入ったら、畜産は全滅が目に見えている。対策は、徹底しなければならない」と気持ちを引き締めていた。
宮古島市での配布は平良に次いで上野・下地(21日)、城辺・福嶺(31日)、西城・砂川(6月1日)、ヤギ農家(同3日)-の順で行われる。場所は、いずれも宮古家畜市場。時間は午前9時~正午。伊良部は24日を予定している。
消石灰は、踏み込み消毒槽に使う消毒薬。消毒槽の作り方や使い方として①長靴が入る大きさのバットやバケツに水を準備②水10㍑に消石灰、紙コップ1杯が目安③長靴を入れる前に水で汚れをきれいに落とす④消毒薬に長靴を入れて靴をよく消毒する⑤消毒液は1週間程度で交換-などを示している。
家畜に散布してはいけないことや、人の目や口、鼻に入らないようにする-などの注意も呼び掛けている。
宮崎県での口蹄疫は18日までに、126例発生した。殺処分対象家畜は約11万4000頭に上っている。
宮崎県では2000年3月にも発生し、15日後の3例目が最後となった。今回は126例と、終息は予断できない状況にある。
発生地から10㌔以内では、家畜の移動を禁止。10-20㌔以内区域では、域外搬出を禁止している。
口蹄疫は牛やヤギ、豚など蹄が二つある偶蹄類に感染する家畜の法定伝染病。空気でもウイルスが広がるとされ、伝染力が強い。人にはうつらない。