地域振興助言で協定書/沖縄公庫、宮古島市、多良間村
金融機関のノウハウ活用
沖縄振興開発金融公庫(譜久山當則理事長)は26日、「宮古地域の振興に係る助言業務に関する協定書」を宮古島市、多良間村の2市村と取り交わし締結式を行った。下地敏彦市長、伊良皆光夫村長、譜久山理事長が協定書に署名し、協定書を取り交わした。
同助言業務に関する協定は、市、村が行う地域振興事業に対して、同公庫が専門的立場から助言することを目的とし、同公庫の金融ノウハウなどを活用し、2市村が行うさまざまな地域振興プロジェクトについて適宜アドバイスを行うというもの。
宮古地域では今後、宮古島市において下地島空港と同残地の利活用計画、多良間村では老朽化した製糖工場の建て替えや新石垣空港との航空路線再開などのプロジェクトを予定しているため、これら地域振興に大きく関係する事業の基本計画から、管理運営に関する内容までを同公庫の融資第一部地域振興班が中心となり、事業の円滑運営に資する指導と助言を行っていく。
また、これらの事業以外にも①市、村がそれぞれに行う地域開発の基本計画等に関すること②市、村がそれぞれに行う地域振興プロジェクトに関すること③市、村が広域連携により行う経済産業活動の推進に関すること-を助言業務の対象としている。
協定締結後、会見した下地市長は「これまで沖縄公庫からは各事業で、いろいろな指導と助言を受けたが、協定締結によって、もっと具体的な形でのアドバイスが受けられる」と述べ、当面、下地島空港と同残地の利活用計画についての指導、助言を受けて1日も早い利活用を目指すことなどを説明した。
また、伊良皆村長は「人口減少、過疎化対策を行いながら第一次産業を盛り上げ、いかに観光振興を図っていくかなどが島の課題だ。来年10月をめどに新石垣空港との航空路線再開も目指したい」と述べ、同協定による公庫のアドバイスに期待を寄せた。
譜久山理事長は「政策金融という立場から、宮古地域の振興のお手伝いができることを大変うれしく思う。公庫は離島振興も重要な業務として位置付けていることから、2市村が抱える課題の解決と振興発展のプロジェクトについて、金融ノウハウをフル活用し、民間側の立場に立った提案を行いながら、その機能を最大限に発揮していきたい」と述べた。
同公庫では2007年に北谷町、11年に八重山地域と同協定を取り交わしており、「北谷町アメリカンビレッジ構想」を成功に導いたなどの事例がある。