E3の一般販売スタート/テープカットで開始祝う
関係者らが給油所開所式典
宮古島のサトウキビを原料としたバイオエタノールを3%混合したE3ガソリンの一般販売が27日から、宮古給油所のE3宮古給油所(旧NEDOE3専用給油所)でスタートした。実証実験ではなく一般向けにE3が供給されるのは宮古島では今回が初。発売開始を前に開所式典が行われ、関係者らがテープカットをして事業開始を祝った。
今回のE3一般販売は、宮古島市の「宮古島バイオエタノール高効率製造・流通事業」として、国の実証実験でE3製造を行っていたりゅうせきと、宮古給油所、日本アルコール産業の協力を得て実施される。
国の実証事業終了後、市が国から譲り受けたバイオエタノール製造施設の指定管理者となった日本アルコール産業が宮古島産サトウキビの絞りかすを使ってバイオエタノールを製造。それをりゅうせきが仕入れ、実証実験後に国から買い取ったE3製造・供給設備を使ってE3を生産し、同じく国からE3専用給油所を買い取った宮古給油所が一般向けに販売する。
混合した3%のエタノール分の揮発税が一般のガソリンより低減されることから、レギュラーガソリンより1㍑当たり1円安い価格で販売することができる。
開所式では、りゅうせきの尚諭石油販売本部長が事業概要を説明するとともに、「市民に広く利用され、循環型社会形成の一助になれることを願っている」と語った。宮古給油所の神里恵亮社長は「ようやく一般市民にE3を供給できるようになった。関係者に礼を言いたい」とあいさつ。下地敏彦市長は「市民の皆さんには、地産地消型エネルギーとしてE3を利用してもらい、循環型社会への参加を体験してほしい」と呼び掛けた。
来賓代表として、資源エネルギー庁新エネルギー対策課の讃岐律子課長補佐があいさつを述べたのに続き、下地市長、尚本部長、宮古島市議会の佐久本洋介副議長、神里社長、讃岐課長補佐、日本アルコール産業宮古島事業所の富重敏郎所長がテープカットを行い、開所を祝った。
式典の最後には、下地市長が「E3一般給油第1号」としてE3を給油するパフォーマンスを見せた。
市では今後、市が所有するガソリン車約280台すべてでE3を利用する。
宮古島でのバイオエタノール事業は、2004年度にりゅうせきの環境省委託事業として開始され、07年度からは国の1府5省庁連携事業でエタノール製造設備、E3製造・供給設備を整備するとともに、バイオ燃料の実用化実証実験を行っていたが、11年度で終了していた。