株出面積 全体の44%占める/14~15年期産キビ
沖糖管内で874㌶/栽培型別面積調査
来期には夏植え逆転か
沖縄製糖の調査によると、同社宮古工場管内(平良、下地、城辺の一部)で栽培されている2014~15年期産サトウキビの株出面積は874㌶で全面積1980㌶の44%を占めた。9年前の05~06年期に2%台まで落ち込んでいた株出は、1970年代の50~60%台近くまで復活した。
栽培型別面積調査は、5月中旬に実施した。
夏ごろに植える夏植が相変わらず最も多く944㌶。株出が874㌶、春植161㌶となった。
株出は前期の712㌶と比べ162㌶(23%)増と大幅に伸びた。春植は前期より9㌶多い161㌶。一方、夏植は前期比132㌶(12%)減の944㌶だった。夏植と株出の差は70㌶と小さく、来期にも逆転しそうだ。
1年に1回収穫する株出は、2年1回の夏植と比べ土地利用率が高いため、行政や製糖会社は株出の面積拡大を推進してきた。メリットは外にも①植え付け作業を省ける②苗代が要らない-など多い。
株出栽培は塩素系殺虫剤の使用禁止に伴い、キビの根を食い荒らす土壌害虫(ハリガネムシ、アオドウガネ)が増え、激減していた。近年、ハリガネムシの駆除に有効な農薬の登場やアオドウガネ誘殺灯(可動式)の大量設置により、年々増え完全復活が見えるまでになった。
同工場管内の13-14年期産キビ株出の平均反収は5・6㌧と、全体平均の7㌧を1・4㌧(20%)下回った。
沖糖は面積は増えたが栽培管理が不十分のため、反収が低く所得向上に大きく結び付いていないことを課題に指摘。生育を促進する具体的な栽培方法として、株出管理機を入れた後に、畝間を耕して土中に空気を入れる培土が重要だと助言する。
反収は7㌧以上を目指してほしいと、目標を示す。
健全な株を多く出し、株出の反収を増やすとされる春植が増えない理由には、製糖期間中(春)に収穫後の畑の耕起や砕土に使えるトラクターが不足し、春植の準備が難しくなっている状況を指摘した。