與座さんら功労表彰/「北福波」生産者
第1回肉用牛振興大会
【那覇支社】JAおきなわ(砂川博紀理事長)・同肉用牛振興協議会(伊保敏彦会長)主催の第1回肉用牛振興生産者大会が30日、豊見城市中央公民館中ホールで行われた。県内の生産農家や肉用牛購買者、行政関係者など約400人が参加して、「育種価の高い優良繁殖雌牛を1戸1頭増頭しよう」など、七つのスローガンを採択した。
功労者表彰では、県農林水産振興功労者感謝状が県種雄牛「北福波」生産者の與座武雄さん(81)=平良=に贈られ、県農業協同組合理事長表彰の「年間高額販売者部門」去勢の部で砂川昌則さん(61)=上野=が受賞した。
同大会は、肉用牛の繁殖母牛の増等対策や新たな担い手の確保による生産基盤の強化、生産性向上を目的にした初めての開催。
主催者の伊波会長は「飼料価格の高騰や生産農家の高齢化、TPP交渉の動向など先行き不透明な状況を打開するため、生産者が一堂に会し夢と希望の持てる魅力的な肉用牛経営を構築しよう」と訴えた。
砂川理事長は「2012年度の農業産出額全体の877億円のうち、肉用牛が144億円と16・4%を占め、サトウキビの146億円に肩を並べ基幹産業の地位を築いた。生産者の努力に敬意を表したい」と述べた。
県内肉用牛の情勢報告では、飼養戸数は後継者問題などから減少し、12年度は3050戸で、頭数は8万2800頭。1戸当たりの頭数は27・1頭と全国平均41・85を下回る。繁殖用雌牛は60・3%と全国の23・6%に比べ高く、繁殖牛経営に特化しているのが特徴と指摘した。
県内各地区の生産者からの取り組み報告では、宮古和牛改良組合理事の荷川取広明さん(46)=下地=が、宮古地区の高齢化に伴う頭数の減少や新規就農者の停滞状況などを課題として挙げた。
最後に、大会スローガンを採択し、参加者全員で「ガンバロー三唱」で気勢を上げた。
大会の後、畜産歴22年の與座さんは「表彰されてうれしいの一言。これからも一生懸命に頑張って系統の優秀な牛を育てていきたい」と、同30年の砂川さんは「自分だけの努力でなくみんなの応援のお陰。購買者にも高値を付けてもらい感謝したい。ストレスがないよう体調管理には今後も気をつけたい」と、それぞれ喜びを語った。