県知事選挙 与野党相乗りの動き/那覇市議自民会派
きょう翁長氏に出馬要請/自民県連、注意文書を送付
那覇市議会与党会派11人で組織する「自由民主党新風会」(金城徹会長)は2、3の両日に開いた議員総会で、11月に執行予定の県知事選挙で翁長雄志那覇市長(63)に出馬要請することを全会一致で決めた。要請はきょう5日に行う。すでに県議会野党会派など5団体でつくる「知事選候補者選考委員会」(新里米吉委員長)は先月1日の段階で、翁長氏を選考対象の候補者として挙げていることから、与野党相乗りで翁長氏擁立に向けた動きが活発化している。
一方、現職仲井真弘多知事の3選を軸に知事選候補者を模索する自民党沖縄県連(西銘恒三郎会長)は、こうした那覇市議らの動きに対し4日、新風会所属の市議全員に対し要請を行わないよう促す注意文書を送付した。
新風会に所属する議員の一人は、翁長氏要請の経緯について、「県議会野党会派が先行して翁長市長の擁立を進めていることが釈然としなかった。会派としては市長としての行政手腕と実績を見ても翁長氏を推すのは当然だというのが会派全体の一致した考えだ。保守本流でありながらオール沖縄で挑める優れた候補者だ」として、野党勢力に先んじて出馬要請を行うことで意見統一が図られたことなどを説明した。
これに対し、県議会野党の候補者選考委員の一人は、「仲井真知事の辺野古埋め立て承認に批判的な姿勢を示してきた翁長氏への待望論は変わらない。移設に反対する保守層が共に力を合わせて望むということは歓迎すべきことだ」と述べ、新風会の要請を待って、野党内の強固な体制固めを行っていく考えを示した。すでに関係政党の中からは翁長氏に集約すべきとの意見も出されているという。
新風会の動きを受けて自民県連は、3日開いた緊急役員会で、所属議員11人に対し、厳重注意文書を4日付で送付することで一致した。宮古島市区選出県議で県連政調会長を務める座喜味一幸氏は「現職知事が態度表明をしていない中で、市議団が出馬要請を行うのは明らかに党の方針や党規に反することだ」として、役員会からは除籍、除名を含めた厳しい処分を行うべきとの意見も出ていることを話した。
きょう5日の市議団要請を受けて、翁長氏が即答で応諾することはないと見られるが、6日に開かれる同市議会与党会派の代表質問でも翁長氏に出馬意向をただす質疑がなされる予定だ。
また、現職仲井真氏の出馬意向については、県議会6月定例会の代表質問初日(6月30日予定)までに仲井真氏自らが態度表明を行うものとみられている。