市農産物加工施設が開業
規格外マンゴーを加工/2次製品原料生産目指す
市が上野野原のトロピカルフルーツランド内に整備した農産物加工施設が6日開業し、施設の受託運営会社ティダファクトリ(荷川取ゆり子社長)は同日、農家や関係者を招いて施設のお披露目見学会と祝賀会を開いた。同施設はマンゴーの規格外品などを加工して価値を高め、農家所得の向上につなげる目的で設置した。機械設備は質の高い2次製品原料の生産を目指し、栄養分の流出を抑える最新鋭のネピュレ製造機を、県内初導入した。
延べ床面積は367平方㍍。設備は急速冷凍詰機、原料保管冷凍庫、ネピュレ製造機などを備える。トロピカルフルーツパーク内のレストランを改装し、今年3月に完成した。
稼働は収穫が始まったマンゴーの規格外品が増える今月中旬ごろから、本格化する。ネピュレの1日当たり製造可能量は100㌔。カットした冷凍マンゴーを合わせて同施設での今年度の加工は、前年度の16㌧より4㌧多い20㌧を見込む。製品は本土の企業に出荷し、地元でも土産品の原料などに使い、観光発展を後押しする。
セレモニーでは下地敏彦市長や荷川取社長がテープにはさみを入れ、オープンを祝った。
席上、荷川取社長は「宮古島の生産者が丹精込めた『てぃだの恵み』を一粒も無駄にすることなく加工し、島の生産者と全国の人々をつなぐ、『食と幸せの工房』にしていきたい」とあいさつした。
下地市長は「マンゴーを宮古島の特産品に絶対育てたいとの思いで農政に取り組んできた」とマンゴーに懸ける思いを強調。加工施設は荷川取社長の強い思いもあって実現したと述べた上で、「みんなでティダファクトリを育ててほしい」と、地域を挙げたバックアップを要望した。
施設見学の後、芝生の広場で祝賀会を開き、マンゴーネピュレの飲料や、同ドレッシングを使ったサラダなどユニークな料理を振る舞った。
開業セレモニーに先立って「美味しさまるごとネピュレ R ~その魅力と地域産業化への可能性~」と題したシンポジウムが開催された。講師はネピュレ社の加納勉社長、JA全農の田代典久総合企画部調査役、市観光商工局の下地信男局長、開発屋でぃきたんの照屋隆司社長、荷川取社長らが務めた。