見直し案「継続審議」に/伊良部の小中一貫統合
臨時会で市教委/学校規模適正化基本方針
地元から要望が出ている伊良部、佐良浜の小中学校を統合し、2017年度に小中一貫校を新設することについて、市教育委員会(宮國博教育長)は9日、市役所城辺庁舎で臨時会を開き地元の要望に沿って、学校規模適正化基本方針の一部見直す案が提案されたが、5人の委員のうち2人から「佐良浜地区の住民の意見をもっと聞く必要がある」などの意見が出され継続審議となった。
小中一貫校の新設については、「伊良部島の新しい学校を作る会」(長濱国博会長)が先月、市教委に要請し、さらに伊良部小PTAからも小中一貫校の新設を求めて今月7日に市教委に嘆願書が提出された。
今回の臨時会はこれを受けて、基本方針の一部見直し案が提案された。
現在の基本方針は昨年4月に見直しされたもので、伊良部地区については佐良浜中と伊良部中を2019年度までに1校に統合し、伊良部、佐良浜の両小学校については「児童数の推移や中学校の結果を見守り、統合の時期ついて速やかに決定する」となっている。
今回提案された一部見直し案は、要請と嘆願書の内容に沿って、現在の方針よりも2年前倒しの17年度をめどに伊良部と佐良浜の小中学校を統合し、小中一貫校として新設することが示された。
これを受けてある委員からは「基本的には賛成ではあるが方針を変えるのは簡単にはできない。伊良部小学校PTAからの嘆願書のように佐良浜小のPTAからも出してもらえたらいいと思う」との意見が出された。
さらに別の委員からは「一貫校については伊良部地区はかなり推進に向かっていると思うし、私もその方がいいと思うが、佐良浜地区も伊良部地区と足並みがそろった方がと思う。もう少し佐良浜の住民の意見や要望等が出ると見直しに動いていくと思う」との見解が示された。
小中一貫校の新設については、委員全員が賛同する意向が示されたが今後、佐良浜地区の積極的な意見を集約した上で再度議論することとなり今回の提案については「継続審議」となった。
市教委が7日に実施した住民説明会では、基本方針を早急に変更し、17年度開校を求める意見がある一方で、佐良浜中学校PTAの女性から「伊良部と佐良浜で足並みをそろえられなかったのか。佐良浜の話し合いを待って進めることはできなかったのか」との意見や「最近の報道で一貫校の案を聞いた。詳しい情報を知らない保護者も多いので、今すぐ決めてというのは違うと思う」などの意見も出されていた。