「エコの島」内外に発信/宮古島市
推進条例案を発表/下地市長「市民の力必要」
宮古島市が「エコアイランド宮古島の推進に関する条例」案を市議会6月定例会に提案する。この条例の目的はエコアイランド宮古島の具現化。行政だけでなく市民、事業者、観光客など宮古島に関わるすべての人が一体となった運動の展開を提唱する。下地敏彦市長は9日の会見で「市民の力が必要」と強調。「島に関わるすべての人と一緒に運動を展開し、エコアイランドを国内外に発信していきたい」と述べた。市議会は11日に開会する。
条例は順守事項や規制を設けるのが一般的だ。今回のように、理念や運動の推進を前面に打ち出す条例は珍しく、「エコの島」のブランド確立を目指す市の強い意向がうかがえる。
条例案の前文には、人と自然が共生する環境配慮型社会の構築をうたった。島に住む人と島を訪れる人のすべてが「エコアイランド宮古島」を実感できるような活動の意義を指摘し、島に関わるすべての人が一体となって努力することの必要性を訴えている。
条例施行後、市は総合的かつ体系的な運動を展開する。具体的には推進計画の策定などがある。
市民には日常生活、事業者には事業活動の中でエコ活動の実践を促す。島を訪れる観光客にはエコへの理解と協力を求める。
そのほか、エコに関する理念の啓蒙普及活動や教育環境の整備を図る。「エコアイランド宮古島の日」も制定する方針だ。
下地市長は「これまで実施してきた個別のエコ活動を体系的にまとめて効率化を図りたい。市の施策としてしっかり位置付けてエコアイランドを内外にアピールしていく」と話した。その上で「市の活動だけではエコアイランドは実現できない。市民と一緒に運動を展開したい」と述べた。
市は2008年3月にエコアイランド宮古島宣言を行い、翌09年1月には国から「環境モデル都市」の認定を受けている。