新ごみ焼却施設着工/懸案事項が本格始動
完成は16年3月を予定
宮古島市の新ごみ焼却施設等の建設工事が10日、現施設に隣接する平良西仲宗根の建設用地で始まり、長年の懸案事項が本格的に動き出した。工期は20カ月を予定し、早ければ2016年3月に完成する。同日は建設現場で安全祈願祭が行われ、下地敏彦市長や関係各社の代表が参加して工事の安全を祈願した。
新しく建設される焼却施設は地下1階、地上5階の建物。建築面積は焼却棟が2520平方㍍、管理棟が583平方㍍。1日63㌧の処理能力を持つ。
現施設に比べてごみの臭気に配慮した設計で、騒音防止対策も施す。すべてのごみが建屋内で処理されるため景観上も良くなる。
ごみピットは2層構造とし、搬入側とストック側に分けて安全に処理作業を行う。ピットの容量が大きいため、災害時などで一時的にごみが増えた場合でも1週間ストックできる。
焼却に伴う排ガスは、二次燃焼室で完全に燃焼させる。排ガス中のダイオキシン類や塩化水素など有害物質は、ろ過式集じん器等の設備で除去する。
建設費は約32億6000万円。このうち2分の1は国の循環型社会形成促進交付金、残りは合併特例債や起債を充てる。工事は川崎技研・共和産業・佐平建設特定建設工事共同企業体が請け負う。
安全祈願祭には多数の関係者が参加し、玉串奉納やくわ入れなどの儀式で工事の安全を祈願した。
下地市長は、建設地が決まらず二転三転した懸案事項に触れ「現施設が停止した場合のことを考えると心配だった」と述べ、工事が始まったことで懸念が解消に向かうと安堵した。その上で「新しい施設は悪臭を出さないし、環境に配慮した設計が施されている。これからも地域住民の生活に影響が出ないように進めていきたい」と話した。
新ごみ処理施設全体の敷地面積は2万6300平方㍍。造成工事は昨年10月に着工、このほど完了した。