農協改革案に反対/JA県中央会
知事に国への働きかけ要請
【那覇支社】JA県中央会の新崎弘光会長らは9日、政府の規制改革会議が提言した農業協同組合(JA)の改革案を、政府が6月にまとめる新たな成長戦略(農林水産業・地域の活力創造プランの改定)に反映させないよう、仲井真弘多知事に国への働き掛けを求めた。
JAおきなわの砂川博紀理事長らと連名の要請書を仲井真知事に手渡した新崎会長は「JAグループの解体を目論む極めて大きな問題。大変心配している」と改革案に強く反対した。
規制改革会議の改革案には、全国農業協同組合中央会(JA全中)を頂点とする中央会制度の廃止や農産物の販売を担うJA全農の株式会社化、JAの信用(金融)・共済(保険)事業の代理店化、准組合員の事業利用制限などが盛り込まれている。
これに対し要請書では、JAグループが組合員や地域住民の生活を支える信用、共済、購買、販売などの総合事業を営み、離島や条件不利地域では行政を補完するライフライン的な役割を担っていると指摘。改革案は「農業やJA事業・組織の実態とかけ離れ、生産現場や農協の理念、組合員の意思を無視した急進的な内容」とし、「組織や生産現場で不安と混乱を招いている」と批判した。
新崎会長は県内の地域社会の実情などを踏まえ、「農業者の意向を反映した改革案の策定」と「中央会制度の維持」を国に働き掛けるよう要請した。
仲井真知事は「今日は話をうかがった上で、農水部長と相談していきたい」と話した。