陸自配備向け協力要請/防衛副大臣が市長に
南西諸島の防衛強化で
武田良太防衛副大臣が12日来島し、市平良庁舎市長室で下地敏彦市長と会談した。武田副大臣は「南西諸島の防衛体制を強化しなければならない」と述べ、宮古島に初動任務を果たす陸上自衛隊の部隊配備を検討していることを説明、候補地選定に向けた現地調査に協力を求めた。下地市長は「調査の内容については調整していきたい。国から具体的に配備したいという申し入れがあった場合は市民の意見を十分に聞く必要がある」と述べた。
防衛省は南西諸島の離島防衛のため、鹿児島県奄美大島に350人規模の陸自部隊を配備する方針。
沖縄では宮古島のほか、石垣島にも同規模の部隊配備を検討している。
武田副大臣は会談で「南西地域の防衛体制を強化しなければというのが痛切な思い」と述べ、先島諸島の「防衛力の空白地域」の解消が重要だと強調した。
武田副大臣は「地域や市長の意見をしっかりと聞きながら防衛体制の充実に努めていかなくてはならない。あらゆる角度からさまざまな調査を進めていきたい」と述べたものの、具体的な場所や時期などについては示さなかった。
武田副大臣はまた「大陸にある国家と違い、日本には多くの島々がある。特に南西地域には多くの島々が点在している状況を考えると、有人島に対する防備があまりにも無防備ではないかとの指摘も寄せられている」と述べた。
その上で「われわれはありとあらゆる事態を想定するが、特に災害における人命救助は自衛隊が当たられるフォーメーションを考えていかなければならない。われわれと一緒に、この地域の安全のためにご尽力いただきたい」と述べ陸自配備に向けた候補地選定の調査に協力を要請した。
下地市長は「沖縄周辺域で現実に進行している国際情勢を勘案した時、数多くの島々から成り立っているわが国の島しょ防衛を充実させることは市民生命、財産を守る観点から必要」と話し、協力には応じる考えを示した。しかし実際の配備については「市民の意見を十分に聞かなければいかない。しっかりと市民の意見聞いた後に対処していきたい」と話した。