設計委託後に建設地変更/平良児童館
市、新たに381万円負担へ/市文社委「明らかなミス」
市がNTT社宅跡地(平良西里、宮古高校東側)に建設を計画し、設計業務が委託されていた平良児童館が宮古病院跡地に移転、建設されることが分かった。建設場所の変更で、委託料381万円が新たに発生することから市は同額を一般会計補正予算に計上、市議会6月定例会に上程した。市は都市計画法の関連で「公共施設の効率的な活用」を理由にしているが、審査した文教社会委員会(垣花健志委員長)は「明らかなミス」「予算の無駄遣い」と指摘。関係部署から文書で経緯を求める方針だ。
市児童家庭課によると当初、児童館と隣接して保健センター(仮称)もNTT社宅跡地内の一部を借り入れて建設する予定だった。
しかし、保健センターを建設するには都市計画法をクリアしなければならず、その手続きに2年以上かかることから同地での建設を断念した。
市は児童館のみの建設は「公共施設の効果的、効率的な活用が図られない」として、宮古病院跡地に建設予定の未来創造センター(図書館と中央公民館を併設)に隣接して建設することにした。
児童館の設計委託料は一括交付金を活用し、昨年12月に1270万円で業務委託され作業が進められていた。
12日の文教社会委員会で答弁した市福祉部の譜久村基嗣部長は「児童館は当初、NTT社宅跡地に建設するということで設計委託をした。しかし、同地が都市計画法の用途地域の規制に掛かるため、保健センターの移転を強いられた。児童館については早めに事業を進めようと、宮古病院跡地の一部を活用して建設することにした」と経緯を説明した。
補正予算に計上された児童館建設事業の委託料381万円は、落札業者がNTT社宅跡地で進めてきた設計作業の進ちょく率に見合った額で、譜久村部長は「この事業費は一括交付金を活用した設計事業なので、今まで進めてきた(変更前の)作業の対価は一般財源で対応しなければならない」と述べた。
13日の同委員会では「新たな予算の発生であり、なぜその予算が発生したのか市民に説明すべき」とし、児童館と保健センターのこれまでの経緯を、それぞれの担当部署から文書で求めることにした。
平良児童館は今年度予算に建設費1億5000万円を計上。建設費の一部は、国の「次世代育成支援対策施設交付金」と県の「安心こども基金事業補助金」を受け9月着工、来年2月完成、同4月からの供用開始を予定していた。
譜久村部長は「設計は6月から始まっており、10月上旬には完了する。工事は10月下旬に始まり、完了は来年5月を目標にしている」と述べ、当初予定より1カ月以上遅れるとの見通しを示した。
市児童家庭課によると、建設地は宮古病院跡地の一部で、竹原地区区画整理事業の一区画という。