株出面積 全体の36%占める/14-15年期産キビ
前期比2.8ポイント増加/宮古地区で1700㌶
宮古地区で栽培されている2014~15年期産サトウキビの株出面積は1701㌶で全面積4681㌶の36・3%を占めることが沖縄製糖と宮古製糖の調査で分かった。構成比は前期の33・5%より2・8ポイント伸びた。株出は全盛期だった1970年代の50~60%台の復活へ着実に前進している。
栽培型別面積は、夏ごろに植える夏植が2679㌶と最も多く、構成比は57・2%。株出が1701㌶(36・3%)、春植300㌶(6・4%)となった。
製糖工場は株出栽培面積が急増する一方で、前期の場合、反収が沖糖5・6㌧、宮糖城辺5・4㌧、同伊良部4・0㌧、同多良間4・8㌧と低く所得向上に大きく結び付いていないことを課題に指摘。反収は株出管理機を入れた後に、畝間を耕して土中に空気を入れる培土や除草を行うことで増えると助言する。
上野新里の50代の男性は春植を今年3月に収穫し、1週間後に株出管理機を使い、4月下旬には「ハーフソイラー」で畝間を深耕。数日前には耕耘機で培土するなど、肥培管理を徹底した。キビは生育茎数が多くすくすくと成長しており、関係者らは反収7㌧以上を見込む。
1年に1回収穫する株出は、2年1回の夏植と比べ土地利用率が高いため、行政や製糖会社は株出の面積拡大を推進してきた。メリットは外にも①耕起、砕土や植え付け作業を省ける②苗代が要らない-など多い。
春植の面積は沖糖161㌶、宮糖城辺109㌶、同伊良部30㌶、多良間村はゼロといずれの工場管内も少ない。春植は健全な株を多く出し、株出の反収を高めるため作付け体系は「春植-株出」の輪作が良いとされるが同パターンは少ない。製糖工場は、春植が増えない背景に製糖期間中(春)に収穫後の畑の耕起や砕土に使えるトラクターが不足し、春植の準備が難しくなっている状況あると指摘する。
株出栽培は塩素系殺虫剤の使用禁止に伴い、キビの根を食い荒らす土壌害虫(ハリガネムシ、アオドウガネ)が増え、激減していた。近年、ハリガネムシの駆除に有効な農薬の登場やアオドウガネ誘殺灯(可動式)の大量設置により、年々増え復活が見えるまでになった。