島ごとエコファーマー/多良間村
県内初 全キビ農家252人認定
【那覇支社】県農林水産部(山城毅部長)は17日、環境保全型農業に取り組む農家「エコファーマー」の認定証交付式を県庁で行い、島ごと新規認定された多良間村の全サトウキビ農家252人を代表して、さとうきび生産組合の本村健次組合長に認定証を手渡した。サトウキビ農家のエコファーマー認定は県内で初めて。エコファーマー認定制度は、堆肥や緑肥の有機物による土づくりや化学肥料・農薬の使用低減の技術導入など、環境にやさしく持続性の高い農業生産方式に取り組む農業者を県が認定し支援する。
認定を受けることで全国共通エコファーマーマークの使用や農業改良資金(環境保全型農業導入資金)活用の優遇措置がある。認定の有効期間は5年。2003年の初認定以降、県内のエコファーマー認定者数は今回の多良間村の新規を含め604人、農産品目では68件となった。
多良間村は島全体のサトウキビ農家のエコファーマー認定の取得を目指し、11年に県や製糖会社、JA、さとうきび生産組合などで構成する「多良間村黒糖エコ生産協議会」を発足。生産農家一体となり化学肥料・農薬使用の慣行基準3割減を目標に、①堆肥、緑肥による土づくり②病害虫イネヨトウの繁殖を阻害する合成の性フェロモン製剤による防除③手作業での除草対策-などに取り組んだ。
交付式で山城部長は「島単位でサトウキビ農家全員に認定証を交付することは制度の開始以来初めて。他地域のモデルとなり県内外に誇れる黒糖ブランド産地として発展するよう期待したい」と激励した。
生産者を代表して本村組合長は「日本一の黒糖を目指し、今後も村民一体となって環境にやさしい安全・安心な島としてエコ生産に取り組みたい」と抱負を述べた。
エコファーマー認定を推進した伊良皆光夫村長は「自信を持ってエコ黒糖をつくり、全国に世界にPRして多良間島の観光にもつなげたい」と述べ、決意を新たにした。