JAL、保有株を無償譲渡/下地島空港施設
国場組系列企業に60万株
【那覇支社】下地島空港施設(渡木温彦社長、SAFCO)が5月8日に那覇市内で開いた臨時取締役会(出席7人)で、同社の全株式の50%(60万株)を保有する筆頭株主の日本航空(JAL)が県のあっせんにより、国場組系列企業で不動産賃貸管理業のコービック(玉城徹也社長、那覇市)と締結した無償譲渡契約を承認されたことが26日までに分かった。
2013年3月に成立した下地島空港の撤退に伴うJALと県の民事調停和解の4条件のうち、県のSAFCOの株式譲渡先のあっせんが最終懸案だった。
県空港課によると、同年8月から譲渡先を見出すため、宮古島市や県内の同業企業の十数社に働きかけてきた。その中で譲渡を打診していたコービック社と交渉を進めた結果、今年3月になり譲渡を受け入れる意向を示した。
SAFCOの主要株主の株式保有の割合は、JALが50%と株式の半分を占め、全日空(ANA)が45%、日本トランスオーシャン(JTA)が5%。筆頭株主はJALとの譲渡契約の成立によりコービック社となる。
コービック社は、宮古毎日新聞の取材に対し「株式取得を決めたのは地元貢献ができ力になれる部分があればとの思いが大きい。SAFCOのこれまでの事業の実績を踏まえて、経営のノウハウや営業支援、技術支援、人材交流など関係を深めていきたい。地元と協力しながら下地島の魅力を県内外にアピールしていきたい」とし、「今のところ、役員派遣や職員のリストラ、新たな事業展開などは考えていない」としている。
SAFCOの事業は、下地島空港の管理運営業務のほか、航空機の燃料給油、建設業、ビル管理業、宿泊業など。従業員は77人(2014年6月26日現在)。