当事者目線で検証/バリアフリー計画策定協
交通、道路整備で意見交換
宮古島市のバリアフリー化を促進する第2回宮古島市バリアフリー特定事業計画策定協議会が26日、市役所下地庁舎で開かれた。公共交通機関や道路、建築物などのバリアフリー化に関する特定事業計画の素案を基に参加委員が活発な意見を交わした。計画の策定に当たっては当事者目線の重要性を共有。障害がある人の視点に立って計画を策定する方針を確認した。
この協議会は、市のバリアフリー基本構想を効果的に推進するための組織。障害者団体をはじめ学識経験者、行政機関、商店街、婦人連合会、青年会議所、観光団体などの代表らが委員を務めている。
冒頭、市建設部の下地康教部長が「社会の成熟度を上げるとともに、観光地として成り立つためにも島をあげて計画の策定に取り組みたい」と話し、委員に積極的な意見交換を促した。
この後、事務局が公共交通、道路、建築物などのバリアフリー化に関する事業計画の素案を説明した。
道路関係では、3年以内の整備を目指す短期事業として▽久松線▽マクラム線▽西里通り線▽中央通り線▽市道A-号線-が示された。車道と歩道の段差を解消するなどしてバリアフリー化を促進する。
これらの素案を基に質疑応答が行われた。歩道等の整備に関するマニュアル基準では当事者目線の欠如を指摘する声があった。「段差は2㌢が標準」という表記に、「わずか2㌢の段差と思うかもしれないが、この段差がいかに大きな障害になっているか。当事者の目線で考え、もっと細かく吟味してほしい」とする要望を全委員で共有した。
そのほか、車道と歩道の段差を解消する際、ドライバーが道の境目を一目で認識できる工夫が必要とする意見などもあった。
この日の協議会での意見は事務局が集約・整理して計画案に反映させる。次回は来月中旬を予定。さらに議論を深める。