新食肉センター 事業費は10億円に/株主総会
建設議案を可決/13年度決算 97万円の黒字
宮古島市やJAなどが出資している第セクター・宮古食肉センター(池間等志社長)の第32期定時株主総会が27日、JAおきなわ宮古地区本部で開かれ、新しい食肉センターの建設事業費が10億3800万円に上ることが分かった。3~4年前当初に見積もられた6億円という金額をはるかに上回る。総会では新センターを建設する議案のほか97万円の黒字となった単年度決算および事業計画案などを全会一致で可決した。
新センター建設事業費が大幅に膨らんだ理由について池間社長は「3~4年前の計画では6億円という話があったが、当時と比較して人件費や資材が高騰している」と説明。福島の復興事業や東京五輪、昨年の豪雪などが影響して資材、人材ともに不足していることなどを要因に挙げた。
また、法律に照らして環境に配慮した設計を施した結果、「全体の価格が跳ね上がっている」とも説明して理解を求めた。
新食肉センターは離島畜産活性化施設整備事業を活用して建設する。事業費の9割は補助、1割が自己負担だ。今後は約1億円に及ぶ自己負担分をどう確保していくかが課題になる。
この日の議案では「自己負担は宮古島市、県農業協同組合に要請する」などと明記。支出の割合について池間社長は「折半でお願いしたい」と話した。
ただ、「実施設計の段階でさらに費用を切り詰めていきたい」とも述べ、できる限り事業費を抑えていく考えを示した。
総会ではこのほか3議案を審議した。決算は2013年度の単年度で97万円の黒字を計上。と畜実績は豚が645頭、ヤギは513頭だった。
14年度事業計画では新食肉センターの建設を基本方針に掲げた。「14~15年度離島畜産活性化施設整備事業で新宮古食肉センター建設を行う」と明記した。建設場所は上野野原地区。
そのほか経営改善の取り組みとして▽会社内部の改善合理化、諸経費の節減▽と畜日の曜日指定継続による合理化-を挙げた。