事業利益で891万円の赤字/伊良部漁協総会
累積赤字8億8300万円
伊良部漁業協同組合(漢那一浩組合長)は6月29日、前里添多目的施設で第45回通常総会を開いた。2013年度の事業利益は891万円のマイナスとなったが、事業外収益でプラスとなり、経常利益は245万円の黒字となった。しかし、累積赤字は8億8380万円で依然として苦しい経営状況に変わりない。総会には13年度事業報告書など計12議案が上程され、すべて原案通り承認・可決された。
13年度は大型のカツオ漁が好調で、特定の魚種においても漁獲量の面で上昇が見られた。
しかし、その他の魚種では不漁となり、漁業者の高齢化も加わって漁獲量が落ち込み、取扱高は減少した。
12年度から実施している民泊事業で船舶を利用した体験や鮮魚を活用したプログラムが好評を得ていることから、同漁協としては今後、事業を拡大し漁業者の所得増につなげたい考えだ。
事業報告ではまた「正組合員数が減少しており、今後の後継者育成が喫緊の課題である」と課題を投げ掛けた。
13年度はA重油や軽油、ガソリン販売などの「購買事業」は5190万円となり、前年度に比べ560万円減少した。
水揚げ高を示す「販売事業」は魚価の低下や台風などの天候不良で休漁が多かったことが影響し、前年度に比べ820万円減の2億1200万円となった。
氷と魚の餌を販売する「製氷冷凍事業」は3540万円で、前年度比370万円減った。
事業収益は軒並み減少。これについて猪澤也寸志代表監事は監査報告で「さらなる経費節減に励みつつ、いわゆる本業、事業収益の基盤である水揚げ高の向上に励んでいただきたい」と指摘。①販売力や加工力のさらなる向上②漁獲力の抑制を最小限にとどめる体制づくり-の2点を挙げ、水揚げ高の回復と拡大を呼び掛けた。
総会の冒頭あいさつしたした漢那組合長は「漁業を取り巻く環境は魚価の低迷、原油の高騰、漁業者の高齢化と厳しい状況にある。昨年は日台漁業協定が結ばれ、追い打ちを掛けた。われわれ組合員は関係団体と共に諸問題の解決に向け頑張っていきたい」と協力を求めた。