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政治・行政
2014年7月6日(日)9:00

キビ農薬補助を制限

税金滞納者対象に/平等性を重視、制度厳格化

 宮古島市農政課はこのほど、市民税や国保税などの税金を滞納している農家を対象に、サトウキビ関係の補助金を交付しない方針を決めた。今回は農薬と有機質肥料の購入補助費の交付を制限する。補助金支出における平等性の確保と納税意識の醸成が目的。関係各課が連動する横断的な対応で納税率の向上を図る。

 今回制限される農薬補助はプリンスベイト剤などの購入費。同農薬には夏植えで30%以内、春植えは40%以内の補助があり、有機質肥料購入補助(夏植え25%以内、春植え30%以内)と合わせて生産農家にとっては貴重な資金源だ。

 これらの補助金を夏植え分から制限する。具体的には▽市・県民税▽固定資産税▽軽自動車税▽国民健康保険税▽市営住宅使用料▽土地改良負担金▽農漁業集落排水使用料-のいずれかを滞納している農家は補助金交付対象枠から外す。

 これまでは公的義務の履行の有無にかかわらず補助金を交付してきたが、「税金を納めている人も納めていない人も同等の補助金を受け取るというやり方では平等性が保てない」(市農政課)という観点から補助金制度を厳格化。一市民として公的な義務を果たしていない農家には補助金を交付しないことを決めた。

 この方針を踏まえて関係各課が連携。補助金申請があった農家を対象に公的義務履行調査を実施し、滞納が判明した約330件の農家に補助金の制限と納税を促す通知書を発送した。

 農政課では①公的義務の履行(税金等の完納)②納税相談(分割支払い等)-に応じれば従来通り補助金を交付する。これに応じなければ原則として補助金交付申請を却下する。

 分割払いには一定の制限を設ける。分割納税を確約しながらこれを実行しない場合、「完納しない限り二度と交付はしない」という強い姿勢で臨み、補助金の食い逃げを防ぐ。

 通知書の発送後、土地改良負担金の支払いが急増している。市役所上野庁舎には多くの農家が訪れて公的義務を履行、徴収率を一気に押し上げている。

 農政課では「(農業補助の制限は)補助金交付の平等性を保つための措置」としながらも、結果として納税率の向上につながる利点を強調。「今後も各課と連携を密にして取り組んでいきたい」としている。


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