市、5万5000人に避難勧告
80人体制で対応/平良庁舎に警戒本部設置
市は7日午前11時、大型で非常に強い勢力の台風8号宮古島への接近予報を受けて、防災対策本部会議を開き、下地敏彦市長を本部長とする「警戒本部」を市役所平良庁舎に設置した。同日午後4時13分、気象庁の暴風警報発令に伴い、市職員80人(消防を除く)で警戒体制に入った。午後4時40分、防災無線を通じて市民に警戒を呼び掛けるとともに、公用車を市内に巡回させ、市民への呼び掛けとパトロールを行った。同午後6時20分に暴風・波浪特別警報が発令されたことから、市は警戒体制を強化した。
市は同日午後10時に宮古島市すべての約2万5000戸、市民5万5000人に対し「避難勧告」を決定し発表した。避難勧告を受けて16世帯30人(8日正午現在)が平良庁舎などの避難所へ避難した。
8日正午までに平良庁舎12世帯21人、城辺庁舎1世帯2人、下地公民館2世帯6人、伊良部庁舎1世帯1人が避難している。
避難所の平良庁舎では8日、ソファーに座ってテレビのニュースを見る避難者や、床に敷かれたシートの上で毛布を被って体を休める人の姿が見られた。
平良西原から避難してきたという高齢者夫婦の男性(77)は「台風のニュースを見て、妻と一緒に市内量販店に買い物に来たが、家が老朽化しているということもあり、そのまま避難所で過ごすことを決めた。食料の支給もあるので、不便を感じていない」と話していた。
また、平良鏡原から避難してきたという1人暮らしの男性(41)は「避難勧告が出たことを午後10時のニュースで知った。11年前の台風のような被害が出るとのことだったので、避難することを考えていた。特別警報が出たにも関わらず、避難所が設けられたのは、それからずっと後だった。市の対応が遅いと感じている」と話した。
避難者の中には15㍍の「高波」を「津波」と勘違いして沿岸部の住まいでもないのに、暴風の中を避難して来たという人もいたことから、今後の「特別警報」の発表のあり方に課題が残りそうだ。