航空機と船舶 臨時便で輸送/「滞貨マンゴー」
台風一過33・5㌧を/南西海運とJTAが協力
台風8号の影響でマンゴーが島外に出荷できなくなり貨物が貯まってしまう「滞貨」問題で南西海運(本社・那覇市、下地米蔵社長)は9日、同社所有の貨物船「なんせい丸」(749㌧)を急きょ平良港に就航させた。同日夜にマンゴー約30㌧を冷蔵コンテナに積み、那覇へ向かった。一方、日本トランスオーシャン航空(JTA、本社・那覇市、丸川潔社長)も同日午前、臨時便でマンゴー約3・5㌧を乗せ那覇へ飛んだ。
両社とも下地敏彦市長の要請に応えた。
県によると、航空機の欠航などで島外に出荷できなくなったマンゴーは6日から8日までの3日間で計65㌧と推計。宮古島市は、もっとあると見ている。
航空機での1日の輸送量は約20㌧で、それ以上のマンゴーが持ち込まれると翌日に回されるという。
なんせい丸の就航は、下地市長が9日朝に緊急の記者会見を開き発表した。
今回は台風の影響を避けるため石垣に避難。天候の状況を見ながら沖縄本島に向かう予定だった。
下地市長は「宮古のために何とかしてやりたいと思う気持ちに感謝する。農家も安心するだろう」と話した。
南西海運の代理店、平良港運の砂川勝義専務は「マンゴー生産農家の役に立てればうれしい」と話した。
なんせい丸は9日午後8時30分すぎに平良港を出港。きょう10日午前8時ごろに那覇新港に到着する。
一方、マンゴーの滞り貨物を解消するために、市から臨時航空便を出すよう要請を受けていたJTAは、当初計画していた6、11、13日の臨時便に加えて、9日も那覇-宮古往復2便を就航させた。
同臨時便は「台風が去った後で、できうる限りマンゴーを運んでほしい」という下地市長の要請を受けて、急きょ8日に決定した。
同社では、午前10時の那覇発の時間に合わせて、輸送の滞ったマンゴーの積載作業を開始。計3・5㌧のマンゴーを航空機の貨物室に積み入れた。
同社の金城徹支社長は「市から早くマンゴー輸送のための臨時便を出してほしいということで運航を決めた。1日でも早く多くのマンゴーを輸送し、農家の皆さんの期待に応えられるよう努めていきたい」と話した。