自衛隊ヘリでマンゴー輸送/4機で6.3㌧那覇へ
知事要請 隊員50人積み込み作業
台風8号などの影響で島外に出荷できずに残ったマンゴー貨物を解消しようと県は10日、自衛隊のヘリを使用した輸送を展開した。ヘリ4機が上野野原の航空自衛隊宮古島分屯基地から那覇基地にマンゴー約6・3㌧を運んだ。県は当初約20㌧を予定していたが「想定していたより少なかった」と話し、滞貨の全面解消にはつながらなかったとの見方を示した。県によると農産物の「滞貨」解消で自衛隊ヘリが使用されたのは「全国でも初めてではないか」と話している。
自衛隊ヘリの使用は自民県連などが9日に仲井真弘多知事に要請。同日、仲井真知事が農林水産省や防衛省に協力を要請し実現した。使用したヘリは航空自衛隊那覇基地などに所属するCH-47型機。自衛隊員約50人が積み込み作業などに当たった。
午後2時、同3時、同3時38分、同5時10分の計4回にわたり、貨物代理店から運び込まれたマンゴーを1機につき1・2㌧~1・9㌧を輸送した。
ヘリ1機の輸送可能な重量は約5㌧。想定したより少ない輸送量に対し県の担当者は「これから検証する」としながらも「初めての事であることから、自衛隊員が品質に相当気を遣い、プロの業者のようにうまく積み込みができなかったのではないか」と話した。
全国でも初めてと見られる自衛隊ヘリでの農産物輸送については「特別級の特別。台風8号で全国初の特別警報が発表され大規模災害という認識が強かったのではないか」と語った。
自民党県連の座喜味一幸政調会長は「マンゴーの積み残しは農家経営に大きなダメージを与える。県の特段の配慮に感謝したい。今後とも農家が安心して農作物を生産できるような体制を県に働き掛けていきたい」と話した。