特別警報中に市長室で飲酒/台風8号
下地市長「許容範囲」
気象庁が7日、台風8号で宮古島地方に全国初の暴風と波浪の特別警報を発表した中、市の災害対策本部長を務める下地敏彦市長が管理職員ら7、8人と平良庁舎3階の市長室で泡盛を飲んでいたことが10日までに分かった。下地市長は同日午前、本紙などの取材に「基本的には食事をして景気づけでちょっと飲んで台風対策を頑張れと言った。酒が主眼ではない。オトーリは1回くらい回した。これは宮古の習慣。許容範囲と思っている」と話した。市によると、大きな事業が採択、完了したり、市議会が閉会した時などに市役所内で「お疲れ会」と称した飲酒の習慣があるという。
市によると、飲酒が始まったのは7日午後6時すぎ。イベント参加の調整で東京へ出張していた職員の報告を受けながら、激励と慰労を兼ね食事と酒を提供した。午後7時30分には終わったという。
市は暴風警報が発表された同日午後4時13分に災害警戒本部を設置。市民に防災無線を通して厳重な注意を呼び掛けた。
同日午後6時20分に発表された特別警報を受け災害対策本部へ移行。本部長には下地市長が就き、職員80人体制で備えた。
こういった中での飲酒について下地市長は「暴風警報が出ているといっても現実にあの時点では風は強く吹いていなかった。状況判断はしている」と述べた。
初めて発表された特別警報についても「情報は知っていた。職員には台風対策をしっかりしてほしいと、食事も準備して頑張れと激励の意味を込めた」と語った。
飲酒の場には、市役所内で待機する職員2人も含まれていたが、市によるとこの2人は飲酒していないという。
一緒に飲酒した管理職の男性は「今思うと軽率な行為だった」と話した。
安谷屋政秀総務部長は「特別警報が出ている中での飲酒は良くない。全職員には今後、庁舎内で飲酒しないよう注意喚起を行う」と話した。
飲酒した職員の処分などは考えていないという。
下地市長は10日夕、市民に対し「食事の提供はともかくとして、酒を提供したことは控えるべきでした」などとしたコメントを発表した。