「百条委」報告書を採択/県議会6月定例会最終日
辺野古移設で与野党両論併記
【那覇支社】県議会(喜納昌春議長)6月定例会の最終本会議は15日、仲井真弘多知事の普天間基地の移設に伴う辺野古埋め立て承認の経緯や根拠などを調査してきた県議会百条委員会の最終報告書が提出された。
報告書では、野党側の「地元自治体の意思をまったく無視し、『適合だから適合だ』として説明責任を果たさない、傲慢で不透明な判断で導きされた承認の決定は撤回されるべきだ」とする見解と、与党・自民党の「丁寧に業務が遂行されており、埋め立て承認の手続きに不備や瑕疵(欠点)は認められない。知事の承認は有効であり、行政手続きは適切であった」とする見解が両論併記されたまま、採決の結果、全会一致で決定された。
本会議の冒頭、浦崎唯昭副議長の辞任に伴う副議長選挙を行い、与党と中立会派のそうぞうなどの賛成多数で自民党の翁長政俊氏を選出した。翁長氏は有効投票45票のうち24票を獲得し、野党側が推した社民・護憲の仲宗根悟氏は21票だった。
新副議長の翁長氏は「誠に光栄であり、身の引き締まる思い。議長を補佐して公正、円滑な議会運営に努めたい」と抱負を述べた。
最終本会議では、新規の「県職員の配偶者同行休業に関する条例」を含む条例案4件のほか、空手道会館(仮称)建設用地の土地取得に伴う議決案など4件、県人事委員の選任、県収用・公安委員の任命に対する同意案3件など12議案を全会一致や賛成多数で可決、同意、承認した。
また、沖縄戦の戦没者遺骨をDNA抽出終了まで焼骨せずに保管するよう県が国に要請する決議と、手話を音声言語と対等に学べ自由に使える環境整備に向けた「手話言語法(仮称)」制定を衆参両院議長、首相らに求める意見書を全会一致で可決した。