宮古島で大規模防除へ/イネヨトウ
事業推進体制を確認
県農業研究センター宮古島支所が平良の福山地区などで実施したイネヨトウ(サトウキビの害虫)のフェロモン防除試験の成功を受け、宮古本島で大規模な防除事業が今年度中に行われる見通しとなった。同事業は広大な面積にフェロモンを染みこませたチューブを設置するもので、作業には農家や県や市、JAなどからかなりの数の要員を動員する。事業主体の宮古地区糖業振興会は16日会議を開き、同会の下に「イネヨトウ交信攪乱法防除組織」を置き事業を推進していくことを決めた。
事業推進案は①対象面積確定(8月)②作業班(区域)ごとの地図作製(12月)③作業班編成(来年3月)④防除作業(同)-などのスケジュールを示した。
防除組織は①地図作製②資材管理配布③効果確認④パンフ・ビデオPR⑤作業班調整-の5部会に分けた。
同防除は国の「さとうきび増産緊急対策事業」を活用して行う。
フェロモン防除は雌のにおいのする同物質を周辺に充満させて雄の交尾をかく乱し、幼虫のふ化数を激減させる画期的な防除法。メリットには①効果が長い②環境に優しい③天敵を保護する④設置作業が安全で楽-などを挙げる。宮古地区では多良間や伊良部地区ですでに実施された。
県内におけるイネヨトウの最初の異常発生は2007年に与那国町で確認された。11年には伊是名村で大発生。キビの反収は平年の半分以下の2・7㌧に減り、深刻な被害がクローズアップされた。
イネヨトウ ガの仲間で成虫は400~700個の卵を産むとされる。成虫の体長は1・1~1・5㌢。幼虫はキビの成長点や節を食べて芯枯れ被害を引き起こす。