福里悠(宮高)全国初制覇/高校女子の重量挙げ63㌔級
けが克服し大会新
重量挙げの第16回全国高校女子選手権は20日、広島県の府中市立総合体育館で63㌔級を行い、沖縄県代表で宮高3年の福里悠がトータル176㌔を挙げて初優勝した。ジャーク98㌔は大会新。宮古地区の高校生による全国制覇は2005年の同大会で53㌔級を制した宮古農林(現・宮総実)の狩俣聖美以来9年ぶり。
大会前に腰を痛め、本調子ではなかった福里の記録はスナッチ78㌔、ジャーク98㌔。先月の県高校総体でマークしたトータル178㌔を2㌔下回ったが、気迫で優勝をもぎ取った。
スナッチの試技で苦しんだ。80㌔からスタートする予定だったが、調子が上がらないため急きょ78㌔に変更した。しかし、この重さを2本連続で失敗して窮地に追い込まれた。
スナッチ記録なしの不安が頭をよぎる中、渡慶次晃監督の激(げき)を受けて気持ちを切り替えた。「絶対に負けない」と意を決して挑むと、持ち前の安定感と豪快な試技でバーベルを挙げきり、全国トップクラスの実力を見せ付けた。
勢いそのままにジャークに入ると、力強い試技を連発した。90㌔、94㌔を難なく挙げて大会記録の更新がかかる98㌔も成功。競り合いを続けた三重・亀山高の石井未来を振り切って念願の全国制覇を成し遂げた。
前回は2位。雪辱を期していただけに優勝をつかんだ喜びはひとしおだ。試技後、渡慶次監督と握手すると思わず涙がこぼれた。
福里は「試合では自分に負けないという強い気持ちを持つことができたので勝てたと思う。表彰台の一番高いところに上がる目標を達成できて良かった」と感無量の表情で話した。
渡慶次監督は「スナッチの成功がすべて」と勝因を語る。「スナッチの3本目の成功でジャークの戦略が立てやすくなった。福里の精神力は素晴らしい」と教え子の快挙を誇った。
福里と同じ階級に出場した宮高3年の松本千夏は114㌔で19位。19日の53㌔級に出場した同校2年の赤嶺桃香はトータル117㌔で14位だった。学校対抗戦は豊見城が3年ぶりに優勝し、宮高は9位だった。