村議員に抗議文/伊良皆多良間村長
教育委員の提案めぐり
【多良間】多良間村議会(森山実夫議長)が教育委員会委員は保護者の起用を義務化した地方教育制度の規定に触れるとして、福嶺常夫氏を同委員に起用する同意案を否決したことについて、提案した伊良皆光夫村長が「多良間村教育委員会において保護署から任命された教育委員は一人も存在しない。この状態を違法というならば、この状態をつくってきたのは、ほかならぬ現在の議員である」などとした抗議文を全議員に手渡していたことが26日までに分かった。同案に反対した野党議員は「規定に触れるのが明白なことから、同案に賛成することはできない。過去が違法状態だったから、流れとして違法で良いという村長の考えには到底納得できない」と反論している。
教育委員のうち、最低1人は保護者から任命するとした「地方教育行政の組織及び運営に関する法律第4条第4項」は2008年に施行されたが、同村議会はそれに気付かず、保護者ではない委員を定数通り任命していたという。
同村教育委員会の委員定数は3人で、1人が欠員となっている。
このことから伊良皆村長は福嶺氏の起用を決め、臨時議会に提案したが賛成少数で否決された経緯がある。
伊良皆村長は「保護者からの教育委員がいない状況が違法であるとするならば、今現在の教育委員の2人も(保護者ではないことから)違法状態ということになる。2人を選任したのは現在の議員だ」と指摘。
その上で「このたびの教育委員任命についての提案が違法だとすれば、法律が施行された平成20年4月以降の教育委員の任命は当然無効だということになる」と主張している。
これについて、野党議員の一人は「確かに教育委員が3人とも保護者でなかった状態があった。しかし、違法であることを知ったからには改めるべきだ。村長の主張は過去が違法だったから、次も違法で良いという事になる」と話した。
野党議員は森山氏、羽地隆憲氏、本村健次氏、渡口直和氏、豊見山正氏の5人。
5人は伊良皆村長の抗議文について、28日にも反論文を発表するとしている。