福祉の担い手が躍動/サマーボランティア研修
中高生40人が3日間体験/車いすの操作方法など学ぶ
次代の福祉を担う中高生が参加する宮古島市サマーボランティア体験研修会が31日、宮古島市中央公民館で始まった。中高生約40人が2日までボランティアを体験し、地域の福祉に触れる。初日は車いすの操作方法などを学んだ。きょう1日は福祉施設を訪問して介助の実態を見学する。
研修会は市社会福祉協議会が主催。「誰もが安心して住めるまちづくり」の実現のために、担い手である中高生に福祉活動のきっかけを提供し、ボランティアに対する理解と関心を深めることなどが狙い。
初日は中央公民館で講話と体験活動が行われ、講話では精神、聴覚、身体、視覚、知的の各障害に対する理解を深めた。講師の東内原旭さんは障害者との接し方について助言。「話し掛けに困っているような気がするが、もっと気軽に友達感覚で接してほしい」と指摘し、「ボランティアという感覚ではなく、友達づくりと思えば良い方向に向くと思う」と話した。
みやこ学園の瀬名波正敏支援課長は「世の中にはハンディを持った人がたくさんいる。そういう人たちのために、私たちに何ができるかを考えてほしい。優しい心を持った人になってください」と語り掛けた。
この後、車いすの操作やアイマスク、高齢者疑似体験が行われた。
車いす操作体験の指導者は「車いすを動かすときは必ず乗っている人に声を掛けること。進む道がどんな道であるかを知らせることも大事」と話し、常に相手の立場に立って介助に当たるよう促した。
高齢者疑似体験をした生徒たちは体に複数の重りを付けて歩行し、まともに歩けない感覚を知った。
将来は福祉関係の職に就きたいと話す上野中3年の野原寧々さんは「車いすを操作するのは初めての経験だけど、思っていたよりも力を使った。特に下りの操作が難しかった」と初日の感想を話した。
高齢者疑似体験を終えた平良中3年の鉢嶺永太郎君は「重り自体はそんなに重いとは感じないけど、腰を曲げなければならないところがとてもつらい。高齢者の気持ちが分かった」と収穫を話していた。
体験研修会の2日目は施設体験研修、3日目の2日は交流を深めるボウリング大会が行われる。