安全操業確保を要請/尖閣諸島海域中国漁船事件
市議会が決議案可決
宮古島市議会(下地明議長)は28日の9月定例会最終本会議で、議会運営委員会(新城啓世委員長)から提案のあった、尖閣諸島海域での中国漁船の領海侵犯、公務執行妨害事件の対処への抗議と安全操業確保を政府に要請する決議案について、審議を行った結果、原案通り可決した。早ければきょうにも、内閣総理大臣や法務大臣など関係大臣あてに送付される。
決議では、公務執行妨害で逮捕、送検されていた中国漁船の船長を、今月24日に処分保留で釈放した那覇地方検察庁の判断について「まさに言語道断であり極めて不可解」、「国内外に尖閣諸島に対する誤ったメッセージを送ったことになり、国益を損なう重大な失態と言わざるを得ない」と強く非難。
同海域では伊良部漁協所属漁船が操業を行っていて、今回の事件は出漁に大きく影響することは必至との考えを示した上で、政府に対し、「尖閣諸島が沖縄県に属する日本の領土であるという毅然(きぜん)とした姿勢で、自国の領土防衛、国益の保護、漁業者の安全操業確保のために万全を期すよう、強く抗議するとともに要請する」としている。
決議のあて先は、内閣総理大臣、法務大臣、国土交通大臣、防衛大臣、沖縄及び北方対策担当大臣。
採決を前に、上里樹氏と亀浜玲子氏が、那覇地方検察庁を抗議する文言があまりにも強すぎることから採決には加わることができないとして退場。その後、採決を行った結果、全会一致で原案通り承認された。
那覇地方検察庁への抗議の文言については、最終本会議開会前に開かれた議会運営委員会でも、長崎富夫氏から再考を求める意見が出されたが、決議案のタイトルを当初案の「公務執行妨害事件に関する那覇地方検察庁の対処への抗議」から「公務執行妨害事件の対処に対する抗議」と那覇地方検察庁の名称を削除する形に変更することで、文案はそのままとすることが全会一致で承認された。