EV専任整備士育成へ/三菱自工
ロータス東和に技術支援
三菱自動車サテライトショップ宮古島のロータス東和オートの新城浩吉社長、新城浩司専務と三菱自動車工業(三菱自工)執行役員で国内営業本部の蓮尾隆一部長らが29日、市平良庁舎で、下地敏彦市長にEV(電気自動車)普及に向けた、三菱自工との提携による専任技術者育成事業を開始することを報告した。宮古工業高校の宮里幸利校長も同席した。
県内では三菱自工のミーブシリーズが約230台導入されている。このうち90台が宮古島に導入されている。新城専務は「県内、島内ではEV整備に関する専門的な技術が不足しているため、整備体制が不十分。EVの普及に伴い、インフラ(産業基礎構造)の一つともいえるEVの整備体制を確立するための、人材育成を主な目的として同事業を開始する」と報告した。
同事業ではEVの整備にはガソリン車など通常の自動車整備とは異なる専門的な技術や知見を要する。このため、三菱自工の協力のもと、宮古工業高校とも連携し、次世代を担う人材育成など、EV専任整備士の育成し、ユーザーが安心して利用できる整備体制の構築を図る。
新城社長は「市のエコアイランドの展開の中で、事業としてEVの普及を進めている。販売をしてもメンテナンスをしっかりとするための整備体制を構築する必要がある」と述べた。
蓮尾部長は「EVの普及などに、宮古島は県と市の支援で新城さんが一生懸命取り組んでいる。これからのビジネスモデルになり得ると期待している」と述べた。
蓮尾部長はEVの電池の利用について、車を走らせるエネルギーであるとともに、その蓄電池から電気を取り出して、家庭などで利用する可能性にも言及した。
下地市長は「興味深い点。そのための整備士養成で、宮古工業高校が連携してくれることは、とても良いこと。いずれガソリン車からEVへ移行する。EV整備技術の有無は整備工場の生き残りもかかってくる。この事業で高校との連携もあり、とても体制が良くなってきた」と述べた。
この専任技術者育成事業は県の中小企業課題解決プロジェクトに採択され、その補助を受けて実施している。